国内

日本の対米「自発的従属」構造の成立過程を京大教授が解説

 経済大国としての発展を遂げた日本は一見、戦後の対米従属から脱却したかのように見える。しかし現在、TPP、規制緩和などの度重なる米国の要求を拒否できずにいる日本の姿勢を見れば、いまだ「洗脳」は解けていないのではないか。京都大学教授の佐伯啓思氏が現在の洗脳構造をひも解く。

 * * *
 終戦から約70年、占領政策が終わって日本が「主権の回復」を謳ったサンフランシスコ講和条約から62年が過ぎた。それらから半世紀以上経ち、戦争を体験した世代も大半が鬼籍に入ってしまった。米国を中心とするGHQの占領政策の意図は、日本を徹底して非軍国化し、民主的な近代国家へと作り変える点にあり、米国によるこの「洗脳」は見事に成功した。

 それまでの帝国憲法下の日本は軍国主義として否定され、一億総懺悔と共に「天皇陛下万歳」は一夜で戦後民主主義礼賛へと変わった。占領下の日本ではマッカーサーを賛美する声があがり、彼は日本国民の英雄になってしまった。以降、「主権の回復」後も日本の米国への隷属は続いた。

 この隷属は目に見えた強圧的なものではなく、世論に働きかけ巧みに誘導するものだった。「マッカーサー万歳」同様、あたかも催眠術にかかったかのように日本側から米国へと自発的に隷従する構造ができあがってしまった。

 米国の典型的な誘導の文句は次のふたつである。ひとつは、「○○することは日本の利益になる」。もうひとつは、「日本はまだ遅れている。いま世界のスタンダードはこうなっている」といった言い方である。すると日本のマスコミ、学者、ジャーナリズムの多くがその誘導に飛びつく。その一方では「米国は、その指摘に応じなければ日米関係が悪化すると言っている」と「外圧」があることを仄めかして、政策を有利に進めようとする政府関係者や官僚まで出てくる。

 米国が自国の国益を目指して日本に圧力をかけるのは当然ともいえよう。しかし、日本のメディアやジャーナリスト、時には政治家までもがそれを「正義」であり、「日本の国益」であり、「グローバル・スタンダード」であると主張する。これは、単なる浅慮なのか、意図的な背信なのか、隠れた自己利益なのか、いずれにせよ、見苦しいだけではなく、それこそ時には「国益」を大きく損なう。その結果、グローバルなコスト競争に身を投じられた日本はデフレに陥り、今も脱却できずにいる。

関連記事

トピックス

山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。千葉県の工場でアルバイトをしていた
【ホテルで11歳年下の彼を刺殺】「事件1か月前に『同棲しようと思っているの』と嬉しそうに…」浅香真美容疑者(32)がはしゃいでいた「ネパール人青年との交際」を同僚女性が証言
NEWSポストセブン
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
保護者責任遺棄の疑いで北島遥生容疑者(23)と内縁の妻・エリカ容疑者(22)ら夫妻が逮捕された(Instagramより)
《市営住宅で0歳児らを7時間置き去り》「『お前のせいだろ!』と男の人の怒号が…」“首タトゥー男”北島遥生容疑者と妻・エリカ容疑者が住んでいた“恐怖の部屋”、住民が通報
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
「港区女子がいつの間にか…」Nikiが親密だった“別のタレント” ドジャース・山本由伸の隣に立つ「テラハ美女」の華麗なる元カレ遍歴
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン