映像作家でパフォーマーである森翔太とロボット開発等を手がけるユカイ工学が、2014年8月29日(金)の「金ニクの日」に絡め、「仕込み筋肉3号機」という動画を公開し、話題を呼んでいる。
これは「サントリーC.C.レモンpresents 青春動画プロジェクト」の一環で、7月15日に公開して以来、8月31日時点で再生回数が約600万回など大きな反響を呼んでいる「忍者女子高生Japanese Schoolgirl Chase」に続く第二弾。
第二弾では、映像作家でパフォーマーの森翔太さんとロボット開発などを手がけるユカイ工学がタッグを組んだ。森さんは、映画「タクシードライバー」内の「仕込み銃」よろしく体のあちこちから「iPhone」が飛び出す装置を作り、パファーマンスをした動画「仕込みiPhone」が国内外から大きな反響を受け、2013年には動画が文化庁メディア芸術祭のエンタメ部門審査委員会推薦作品に選出されたこともある人物だ。
「仕込み筋肉」では、一定の集中力を超えた人間の脳波を探知することで、装着したスーツをあたかも筋肉かのように増幅させることができる装置を企画した。頭に巻いたヘアバンドから脳波を検知して、その集中力が一定値を超えると、空気圧によりCO2圧縮ボンベの弁が開くという仕組み。開放されたCO2が、各筋肉を模したエアバッグを膨らませると同時に煙を発生させ、ムキムキの肉体に変身する。
森さんに、装置を開発した経緯などをうかがった。
■「男子高校生の夢」を爆発させた動画
「仕込み筋肉3号機」は、「強くなりたい」という男性の根源的な欲求を実現したもの。主人公は、いかにもおとなしく、ひ弱そうな男子だ。動画では、女の子が他の男子にからまれていたり、腕相撲勝負で負けそうになったりと、“ここ一番”というときに筋肉が盛り上がり、強い男に変身! その他女の子がかがんであやうくパンチラというときや、屋上でトランペットを吹いて気持ちよくなっているときなど、気分が高揚した瞬間にも体が大きくなる。
男子高校生が、日常高校生活のなかで繰り広げる妄想(理想)が爆発しているが、森さんは、「お風呂あがりに、体から湯気が立ち上っていると強そうじゃないですか。男子って、鏡の前でそれに“俺って強そうだな”と見とれるようなことがあって、それを実現したかったんです」と笑う。
■撮影秘話
森さんによると、妄想するのは簡単でも、いざ実写化しようとすると、瞬間的に膨らませるのに苦労したという。膨らむ素材をどうするか、また筋肉が膨らんだときにTシャツを破れやすくするための工夫など試行錯誤を繰り返した。1回で4つボンベを使い、一回ふくらませたら、次を設定するのに20分かかるため、すべて一発勝負だったとのこと。また、男子高校生役の前原くんは、ボディビルダーを参考に「決めポーズ」の練習を繰り返し、特訓も行ったのだとか。
そして動画では、パッとしなくても一生懸命な姿に惹かれ始める女子高生との胸キュンシーンも満載。ピュアな男子高生に対し、「間接キッス」などで見せる女子高生の小悪魔風な表情も見どころだ。
「男子は、何歳になっても『俺だって実は頑張れるんだぞ、隠された能力があるんだぞ』と思っているもの」(森さん)。男子の変身・ヒーロー願望を余すところなく実写化した森さんだが、「撮影後、(こうだったらいいのに、と)腹が立ってきました…(笑)」。妄想を追い続けるその姿勢こそが、男性がいくつになっても“男子”たる所以かもしれない。