国際情報

韓国で大成功の歴史時代劇 背景に歴史塗り替え願望史観あり

 日本では時代劇の衰退が言われて久しいが、韓国では大成功を収めている。ところが、その韓国ドラマの時代劇は歴史的にデタラメだと批判も多い。『時代考証学ことはじめ』などの著書がある編集プロダクション三猿舎代表・安田清人氏が解説する。

 * * *
 韓国で大成功を収めた歴史時代劇だが、ちまたでは、歴史的にはまったくデタラメな内容ばかりだとの批判が高まっている。昨年11月、『朝日新聞』に連載された「歴史とドラマの間(はざま)──時代考証の世界」という記事の第1回冒頭でも「韓流ドラマ」について言及。韓国の淑明(スンミョン)女子大の蔡今錫(チエグムソツク)教授(服飾学)や東京芸術大学の植村幸生教授(民俗音楽学)のコメントを紹介している。

 俎上にのせたのはNHK-BSや総合テレビなどで放送された『宮廷女官 チャングムの誓い』と、これもまたNHK-BSプレミアムで当時放送中だった『馬医(ばい)』というドラマで、劇中に登場する衣裳と音楽様式が、いずれも「事実と違う」「時代が合わない」ものだったと結論づけている。

 韓国批判論者としても知られる作家の豊田有恒(ありつね)氏は、韓国ブームの遥か昔からの韓国通で、自ら日韓の古代史を研究し、両国民の友好を願って文筆活動をしてきた。そんな豊田氏だからこそ、近年の韓国の日本批判や、韓国政府の対応に強い不満と異論を唱え、ついに批判の矛先は韓流ドラマにまで及んだ。

 豊田氏は、とくに自らの関心に近い、古代を舞台とする韓国ドラマを取り上げて、それらのほとんどが、わずかな文献で出てくる断片的な記述(史実)をもとに、まったくのフィクションで膨大な肉付けをして、伝奇ファンタジー的な物語を構築してしまうパターンだと指摘。
 
 もちろん豊田氏自身、小説家であるので、フィクションだからイケナイなどとは言わない。むしろCGを使って、神話や伝説をこういう映像表現にした方が面白かったのでは? と意見したりもする。

関連記事

トピックス

田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン