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批判の広告を載せず読者から隠すのは公正ではないと朝日新聞OB

 朝日新聞で慰安婦報道の検証記事が8月5日と6日に掲載されて以来、同紙への批判が止まらない。そして複数の週刊誌で朝日新聞の不誠実な姿勢についての記事が数多く掲載されているが、その広告掲載を朝日新聞が拒否し、さらに問題を大きくしている。

 その朝日で広告管理部整理部長や研修所長をつとめた本郷美則氏と、著書『朝日新聞元ソウル特派員が見た「慰安婦虚報」の真実』(小学館)が話題を呼ぶジャーナリスト・前川惠司氏の朝日OB2人が、古巣について語りあった。

──朝日は自社を批判した週刊誌の広告を掲載拒否した。

本郷:私は広告局の整理部長をやっていた時期がありまして、当時は広告のわいせつな写真や文言を削るかが主な問題でしたが、朝日への批判記事の広告を載せるか削ってもらうかで社内で議論になったこともありました。

 掲載の可否は基本的には編集局の整理部長の判断でしたが、私は編集担当の重役に「自分の言論は大切にしておきながら、他人の言論に介入するのか」と直言した。すると「お前は雑誌社の回し者か」と言い返された。

 それで大喧嘩になりましたが、私の同期で編集局にいた人間が、「本郷君はそういう人じゃありませんよ」と仲裁した。そこで私が「それみろ、謝れ」とたたみかけたら、相手は大声で「じゃあ、謝る!」と怒鳴った(笑い)。笑い話のようですが、闊達に議論ができていました。

前川:本郷さんがおっしゃるように、昔は思ったことを言い合える“男の世界”の雰囲気がもっと強かったかもしれません。

本郷:とにかく、批判の広告を一切載せずに読者の目から隠そうとするのですから「公正」とはほど遠い。

※週刊ポスト2014年9月19・26日号

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