気象庁は11月25日、12~2月の3か月予報で、東・西日本と沖縄地方で気温は平年より高めの「暖冬」になると発表した。が、その予報は早々に外れ、12月は2週連続で週末に大寒波が襲来した。
寒波にともない、豪雪が甚大な被害をもたらしている。12月の最初の週末に列島を襲った寒波による大雪は、各地で電線の切断や集落の孤立、幹線道路での立ち往生と大渋滞を引き起こした。
振り返れば昨冬も今年2月に関東一円が豪雪に見舞われた。特に甲府市で114センチの積雪を記録した山梨県では5人の命が失われたほか、JR中央線大月駅で電車が5日間にわたって動けなくなるなどインフラに大きな影響が出た。多くのビニールハウスが倒壊するなど農業も大ダメージを被った。
「近年の冬はとにかく寒く、至るところで大雪が降る」と多くの人が感じている。『異常気象学入門』(日刊工業新聞社刊)の著者で気象評論家の増田善信氏はこう解説する。
「今年は12月初めに徳島で大豪雪を記録したように、冬将軍の到来が年を追うごとに早くなっています。その原因として、地球温暖化が挙げられます。
北半球の上空を吹くジェット気流(偏西風)は、赤道と北極の温度差が大きくなれば流れの勢いが強くなり、小さくなれば弱まる。近年は温暖化の影響でとりわけ北極の気温上昇が加速しており、南北の温度差が小さくなっている。勢いを失ったジェット気流は大きく蛇行します。その結果、北極の寒気が日本まで引き込まれ大寒波をもたらすようになりました」
北にある上空5000メートルでマイナス40度に達する寒気がすっぽりと日本上空を覆うことになる。
※週刊ポスト2014年12月26日号