国内

『島耕作』作者・弘兼憲史氏「育児に熱心な男は出世しない」

 少子化時代、女性の社会進出が進む時代ゆえか、「男の育児」が礼賛される風潮だ。しかし、漫画家・弘兼憲史氏があえて異議を唱える。

 * * *
 昨今、子育てを熱心にやるイクメン会社員がもてはやされています。しかし現実には、仕事のできる人間というのは家庭では必ずしも好かれていないし、逆に家庭的で幸せなパパというのは会社ではそんなに出世しない、という構図があります。

 仕事ができて出世して、家庭でもイクメンで運動会にも参加して子供に好かれる。それはもちろん理想ですが、現実には難しい。

 たとえば僕が上司の立場だとして、急遽、重要な案件が発生して緊急会議になるから残ってくれ、と部下に頼んだとします。その返答が「すみません、今日は子供の誕生日なので帰らせてください」だったとしたら、僕はその部下を仕事から外しますね。

 たとえ子供の誕生日だとしても会社の重要案件となれば、給料をもらっている以上、やっぱり会社を優先すべきです。子供の誕生日、あるいは子供の運動会程度のことで会議をすっぽかすな、とは言いたい。

 僕自身、子供のときにオヤジが運動会に来てくれたことはなかったし、それで嬉しいかといえば、全くそんなことはない(笑)。「運動会に来い」というのは、実は母親の自己満足ですよ。「よそのお父さんみんな来ているのになんであんた来ないの?」という。

 なにより問題なのは、多くのパパたちがイクメンになったからといって、イクメンではないけれど仕事に打ち込んでいる父親への、ある種の批判的な意見が当然のように存在する、ということです。本来、どちらが正しい、こうあるべきだという話ではないはずです。

※SAPIO2015年2月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平(時事通信フォト)と妻の田中真美子さん(レッドウェーブ公式サイトより)
大谷翔平の結婚相手・田中真美子さん、抜群の好感度でメディア出演待望論 モデル、キャスター、インフルエンサーなど幅広い分野での存在感に注目
NEWSポストセブン
活動は今年10月で一区切り“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(84)
《右耳聴覚も失っていた》“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(84)が語った「活動は今年10月で一区切り」と「叶えたい夢」
NEWSポストセブン
岡田彰布・監督は結果を気にしていないというが…(時事通信フォト)
【岡田語録の切れ味も今ひとつ?】阪神がオープン戦不調で連覇に暗雲か ベンチ裏では焦りの言動
週刊ポスト
「21世紀枠」としてセンバツに出場の別海高校に密着
センバツ「21世紀枠」で出場の別海高校 「牛舎で素振り」「ビニールハウス練習」…酪農とホタテの町の“最東端の高校”が甲子園に辿り着くまで
週刊ポスト
3月5日に「ガスト」店内と思われる場所で撮影された”調味料一気飲み”の動画が拡散された
《ガストで調味料一気飲み》迷惑動画を撮影・SNS拡散の3人がついに全員謝罪も運営会社は「厳正な対処」を継続方針
NEWSポストセブン
大谷翔平(Getty Images)と妻の田中真美子さん(レッドウェーブ公式サイトより)
【彼女はめっちゃ甘え上手】大谷翔平の結婚相手・田中真美子さん、大学同窓生が明かす素顔「チャラ男は好きじゃない」
NEWSポストセブン
元横綱・白鵬の周りでは様々なトラブルが…
元白鵬・宮城野親方に関する「暴行告発状」“白鵬米”販売会で写真撮影をめぐるトラブル「取り巻きが市議にヘッドロック」証言
週刊ポスト
miwaと萩野公介(時事通信フォト)
【おしどり夫婦に何が】金メダリスト萩野公介がmiwaと電撃離婚「夫が家を出た」夫婦で大学院進学もすれ違いの日々か miwaがファンクライブサイトで発表
NEWSポストセブン
羽生と並んで写真に収まる末延さん(写真はSNSより)
【全文公開】羽生結弦のアイスショーとバイオリニスト元妻のディナーショー、公演日程が丸かぶり 「なぜ同じ日に?」と関係者困惑
女性セブン
話題になっているジャッキー・チェンの近影(微博より)
《ジャッキー・チェンの現在》今年70歳になる大スターの近影に中華圏で驚きの声あがる「ちょっと急に老けすぎでは」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)と妻の田中真美子さん(レッドウェーブ公式サイトより)
《お披露目》大谷翔平の結婚相手・田中真美子さんの好きなタイプは「ゴリマッチョ」敬愛する兄は巨漢ラガーマンの高身長ファミリー
NEWSポストセブン
希望する“再就職”でも苦労しているという白鵬(時事通信フォト)
【白鵬を待ち受けていた“厳しい仕打ち”】「相撲界から押し出せ」の大号令、希望する“再就職先”にことごとくノー
女性セブン