テレビを見ながら、いろいろ言いやすいのがヒット番組の条件だとすれば、まさにこの『夜ふかし』はその王道をいくものではないだろうか。

「もちろん、細かいところで言えば、問題となるテーマを番組冒頭で発表することで、どういうことだろう?と興味をあおる点や、『ロンドンハーツ』『アメトーーク!』(いずれもテレビ朝日系)の声でおなじみのナレーター・佐藤賢治さんの硬すぎるナレーションによって、下世話になりがちなVTRが一定の格調をもって見られるという効果もあります。またひとつのテーマのVTRの中に、さらに細かいテーマが挟まれていることで、ちょっとしたコラム感覚で見ることができ、視聴者を飽きさせない工夫も見事です」と同氏は語る。

 開始当初は4~5%の視聴率を行き来していた同番組。その人気に拍車がかかったのは、スタートから約1年後のことだった。株歴30年のベテラン投資家で、驚異の財テク術によって現金をほぼ使わず、企業から送られて来る株主優待券で生活するという桐谷広人さんが登場したのである。これについて内堀氏は、

「優待券を有効期限内に使いきるために都内各地を、自転車で爆走する姿が話題を呼びましたよね。このような“おもしろ素人”を世に出して番組の認知度を高める手法はかつて同局で放送されていた『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の系譜に近いアプローチです。

 また、株主優待券の話はためになるとしても『クーピーの白色は何のためにあるのか』『ドライヤーのCOOLは何のためにあるのか』など一見ムダに思えるようなことも取り扱う姿勢は、かつての『トリビアの泉』(フジテレビ系)にも通じます。『夜ふかし』は、こうしたバラエティーの基本をおさえつつ、先ほど言ったように、とにかく執拗に取材対象にフォーカスし、本音を引き出し、本質を突くというプラスアルファの要素を添えている。この手法に対して『あまりにしつこすぎて笑えない』という視聴者もいますが、そう言わしめるスタッフの狂気に拍手を送りたい」と手放しで絶賛した。

 いずれにしても『月曜から夜ふかし』というタイトル通り、月曜から寝つけないことは間違いなさそうだ。

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