投手では3年目の三嶋一輝が大化けした。1年目から中継ぎを任され、昨年は開幕投手に抜された。しかしその試合では初回で7失点KO。しかも大学の後輩に日本プロ野球史上初となる開幕戦での一軍初打席・初球本塁打を喰らうという屈辱を味わった。その後も登板する度に大量失点が続き、シーズン1勝しか挙げられなかったが、今季は9試合ですでに4勝をマークしている。
「昨年打ち込まれたことがトラウマになり、一時はキャッチボールも満足にできないイップス状態になった。それを救ったのがベテラン・三浦大輔の“大きな失敗は乗り越えれば強くなれる”という言葉でした」(スポーツジャーナリスト)
投手陣ではやはり3年目の井納翔一が良い意味で予想を裏切っている。昨年は11勝したものの防御率は4.01と安定感を欠いていた。今年は4勝2敗で防御率は2.55と大きく改善された。野球評論家の山崎裕之氏が語る。
「井納は5月1日の中日戦で負け投手、続く8日の巨人戦では4回途中で4失点KOを食らった後、広島3連戦の2戦目(16日)に回された。それまで3連戦のアタマに起用されていたが、2番手に“降格”されたことが発奮材料になり、完投勝利。負けず嫌いの井納の性格を見越した中畑監督の選手操縦術は見事でした」
※週刊ポスト2015年6月19日号