フェミニンで可愛らしいモテファッション、通称・「赤文字系」(雑誌・ViViやCanCamなど)と、ボーイッシュでカジュアルな自分志向のファッション、通称・青文字系(ZipperやCUTiEなど)。最近のカジュアル、スポーティブームが進行する中、こうした従来の女性ファッションの区分が揺らいできているという。大手アパレル会社に勤務する男性・Aさん(31歳)が語る。
「かつては『ゆるふわ』『めちゃモテ』といった言葉が流行っていたように、女性らしくフェミニンなファッションでモテを狙うというのが王道でした。もちろん、ショートカットでボーイッシュな自分流のファッションを追求する、原宿系の青文字ファッションも別の潮流で流行っていましたが、いわゆる『モテ』とは違う扱いをされてきましたよね。
しかし、2000年代後半くらいから女性ファッション誌でも、『カジュアル派』の1週間コーデ術や、『レディ派』コーデ術などを両方掲載するような流れになってきた。とくに今年は1970年代のファッション、デニムが流行しているということもあり、この赤文字と青文字がうまく混ざりあっている状況です」
こうした流れを受けて「実はこの中間的なファッションが一番男性にモテやすいのでは」と分析するのは、服飾専門学校に通う男性・Bさん(23歳)だ。
「実際のところ、スポーティやカジュアルで、かつレディな女性らしさを兼ね備えたファッションが一番男性にモテるのではないでしょうか。例えば、白いリネンシャツをさらっと羽織り、胸元や手首、足首を出して、クラッシュしたデニムとパンプスを合わせるといったファッション。こういう赤系と青系の中間にあるようなレディ・カジュアルは、本人の“素材力”が一番試されるファッションなんです。
こういう格好をしてキマる女性は“素材”が良いということ。だからこそ、似合う人は当然モテるのです。
加えて、カジュアルさにレディ要素を足すファッションは男性にも理解しやすいです。シャツやデニム、ゆるいTシャツ、ニット帽などのアイテムは男性でも普段から取り入れているものです。リボンやレース、過剰な装飾など理解に時間がかかるファッションよりも、カジュアルなファションのほうが、下手な露出はなくとも一瞬で『色気があるな』と思わせられるのではないでしょうか」(Bさん)
フェミニンなファッションとメンズライクなファッションが融合してきている昨今。カジュアルでかつレディなファッションが“今っぽく”、また男性から“モテやすい”ファッションとなるのだろうか。