近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
昨年8月末にフジテレビを退社した渡邊渚アナウンサー(28)。2020年の入社後、多くの人気番組を担当したが、2023年7月に体調不良を理由に休業を発表。退社後に、SNSでPTSD(心的外傷後ストレス障害)であったことを公表した。約1年の闘病期間を経て、再び前に踏み出し、1月に発売した初のフォトエッセイ『透明を満たす』(講談社刊)はベストセラーに。しばらく休載していたNEWSポストセブンのエッセイ連載『ひたむきに咲く』もこのたび連載再開!(隔週掲載予定)
再開1回目のテーマは「生きる」ということについて。大きなテーマに向き合って今の想いを綴った。
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小学生の頃、毎日朝食を食べながらNHKの朝ドラを観たあとに登校していたから、今でもそれが習慣化している部分がある。この春から始まった『あんぱん』を、爽やかな朝日とともに観ている。『あんぱん』は“アンパンマン”を生み出したやなせたかしさんと妻の暢さんをモデルにした物語だ。(ちなみに自宅にはテレビがないので、オンデマンド派)
小さい子どものいる友人の家にお邪魔すると、アンパンマンを一緒に観ることが多い。ぐずっていた子どもがアンパンマンをテレビで流すと静かになって、集中してみてくれる。
「アンパンマンってすごいなー。子どもを虜にしている」
子どものいない私にはとても新鮮な光景だった。かくいう私も、もちろんアンパンマンで育った。正義の味方で、どんな人にも自分を差し出すくらい愛と勇気のあるアンパンマンが大好きで、朝から晩まで見続けることもしばしばあったそうだ。幼稚園入園とともにアンパンマンから卒業したけれど、振り返ってみれば、その後の人生のところどころでアンパンマンが出てきた気がしている。