ライフ

泌尿器科 わざと異物を尿道に入れ女医指名する来院者も存在

 一風変わった症例に出くわしたとき、医師はどうやって治療法を決めるのだろうか。実は参考書がある。『マイナーエマージェンシー 原著第3版』(大淹純司監訳、エルゼビア・ジャパン/医歯薬出版刊)は、その名の通り「珍しい急患」にどう対処するかを11領域、184項目にわたって解説している。

 800ページ以上にわたる同書は、「コンタクトレンズが目の裏側に入ったときの対処法」や、「催涙ガスに曝された」、「しゃっくりが止まらない」さらには「ひどい日焼け」まで対処法を丁寧に解説している。

 身体に異物が入って取れなくなり、困って病院に駆け込んでくる患者は一定数いるようだ。たとえば尻に入った異物として、バット、ビール瓶、電動歯ブラシ、キュウリやトウモロコシといった報告もあるという。

 こうした異物挿入の原因は自慰行為中の事故であることが多い。しかし、そんなことは到底いえず、「風呂場で尻餅をついたところにたまたまレモンが落ちていた」「暑かったので全裸で電球を取り換えていたら、台から足を踏み外して転んで偶然にも電球が尻に刺さった」といった苦しい言い訳になってしまうのだという。ごまかしたくなる気持ちはわからないではない。

 処置の方法としては、まずレントゲンを撮り、出血の有無や消化管に穴があいていないかなどを確認する。異物の取り出しには膣鏡や鉗子といった婦人科用の機材を流用して摘出する。異物が強く締め付けられている場合には麻酔を打って摘出することが多い。そうなるともちろん入院が必要となる。泌尿器科医の小堀善友氏の体験談。

「私が診た事例では、プラグ部分をカットした電源の延長コードを1m近くも尿道に入れ、腹痛と血尿を訴えて来院した男性患者さんがいました。レントゲン撮影してみると膀胱の中でコードがとぐろを巻いて簡単には取れないことがわかり、緊急開腹手術となりました」

 性癖が原因で起こることが多い事故だけに、中にはこんな上級者もいるという。

「わざと異物を尿道に入れ、同じ女医を指名してやってくる“リピーター患者”もいます。そういう人が来たときには他の患者さんを優先してあげたくなりますが、治療しないと帰ってくれないので……」(泌尿器科で働く20代女性看護師)

※週刊ポスト2015年9月4日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

イベント出演辞退を連発している米倉涼子。
《長引く捜査》「ネットドラマでさえ扱いに困る」“マトリガサ入れ報道”米倉涼子はこの先どうなる? 元東京地検公安部長が指摘する「宙ぶらりんがずっと続く可能性」
マンションの周囲や敷地内にスマホを見ながら立っている女性が増えた(写真提供/イメージマート)
《高級タワマンがパパ活の現場に》元住民が嘆きの告発 周辺や敷地内に露出多めの女性が増え、スマホを片手に…居住者用ラウンジでデート、共用スペースでどんちゃん騒ぎも
NEWSポストセブン
アドヴァ・ラヴィ容疑者(Instagramより)
「性的被害を告発するとの脅しも…」アメリカ美女モデル(27)がマッチングアプリで高齢男性に“ロマンス”装い窃盗、高級住宅街で10件超の被害【LA保安局が異例の投稿】
NEWSポストセブン
デビュー25周年を迎えた後藤真希
デビュー25周年の後藤真希 「なんだか“作ったもの”に感じてしまった」とモー娘。時代の葛藤明かす きゃんちゅー、AKBとのコラボで感じた“意識の変化”も
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト・目撃者提供)
《ラブホ通い詰め問題でも続投》キリッとした目元と蠱惑的な口元…卒アル写真で見えた小川晶市長の“平成の女子高生”時代、同級生が明かす「市長のルーツ」も
NEWSポストセブン
亡くなった辻上里菜さん(写真/里菜さんの母親提供)
《22歳シングルマザー「ゴルフクラブ殴打殺人事件」に新証言》裁判で認められた被告の「女性と別の男の2人の脅されていた」の主張に、当事者である“別の男”が反論 「彼女が殺されたことも知らなかった」と手紙に綴る
NEWSポストセブン
ものづくりの現場がやっぱり好きだと菊川怜は言う
《15年ぶりに映画出演》菊川怜インタビュー 三児の子育てを中心とした生活の中、肉体的にハードでも「これまでのイメージを覆すような役にも挑戦していきたい」と意気込み
週刊ポスト
韓国の人気女性ライバー(24)が50代男性のファンから殺害される事件が起きた(Instagramより)
「車に強引に引きずり込んで…」「遺体には多数のアザと首を絞められた痕」韓国・人気女性ライバー(24)殺害、50代男性“VIPファン”による配信30分後の凶行
NEWSポストセブン
田久保市長の”卒業勘違い発言”を覆した「記録」についての証言が得られた(右:本人SNSより)
【新証言】学歴詐称疑惑の田久保市長、大学取得単位は「卒業要件の半分以下」だった 百条委関係者も「“勘違い”できるような数字ではない」と複数証言
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《真美子さんと娘が待つスイートルームに直行》大谷翔平が試合後に見せた満面の笑み、アップ中も「スタンドに笑顔で手を振って…」本拠地で見られる“家族の絆”
NEWSポストセブン
バラエティ番組「ぽかぽか」に出演した益若つばさ(写真は2013年)
「こんな顔だった?」益若つばさ(40)が“人生最大のイメチェン”でネット騒然…元夫・梅しゃんが明かしていた息子との絶妙な距離感
NEWSポストセブン
ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン