子供に防犯ブザーを持たせる親は多いが、ただ持たせるだけでは効果がないという。電池の蓋が開いていて電池が入ってないのがわかったり、鳴りそうもない古い型の防犯ブザーなど、ただお守りみたいにつけているのは完全にアウト。東京未来大学こども心理学部教授で犯罪心理学者の出口保行さんは、こう説明する。
「持っているからと安心してしまうことで油断が生まれ、さらに襲いやすくなってしまうことさえある。いつでも引けるという体勢になっているかどうかが大事です。いざというときは、大人でも鳴らせません。相手は顔を見られたくないから一度通り過ぎて後ろから襲ってくることが多いし、抱きすくめられたら鳴らせるわけがない」(以下「」内同じ)
実際に襲われた時のことをシミュレーションしておくことが大切だ。
「防犯ブザーを持っていると犯人に対して、“持っているからあなたのことを捕まえられるよ”という威嚇になりますが、安心してはいけません。自宅で突然襲ってみて、鳴らせるかどうか試し、鳴らせないことがわかると、それだけで緊張するようになります」
“○○ちゃんはしっかりしているから、安心ね”──そう思うのは大間違い。大人びた子だからといって安心はできないという。
「それは、見た目や格好の問題ではない。気持ちの問題です。大人びた子というのは、褒められたり、そそのかされたりすると、“もっとできるようになりたい”とその刺激に飛びついてしまうんです。道を教えてほしいと言われたら、それに答えたくなるのが一例です。また犯罪者は大人びた子に限らず、緊張感がない子を狙うので、狙っている子を観察して、どんな言葉をかけたら食いついてくるか、ということを見ています」
※女性セブン2015年9月25日号