国内

警察犬のお仕事 埼玉県でもっとも多いのは行方不明者の捜索

埼玉県の警察犬バルドゥール

 森に囲まれた訓練所に、ベテラン訓練士、堀内壽子さんの「襲え!」という声が響く。それまで静かに座っていた犬が、無言のまま犯人役の訓練士に突進し、防具を着けた腕に、渾身の力で噛みつく。

「来い!」と呼ばれると素早く堀内さんの左に座り、顔を見上げる。「よし!」と声をかけられてやっと、犬は緊張を解いた。

「自分は、バルドゥールと申します。生後1年半で試験に合格し、以来ずっと、嘱託警察犬として職務に就いております」

 さきほどの訓練を見ていると、危険なことも多い仕事ではないかと思うのだが…。

「埼玉県の場合、もっとも多いのは行方不明者の捜索ですね。お年寄りやお子さんの所在がわからなくなったとき、においを頼りに追跡して捜すのです」

 訓練の時はにおいを染みこませた布を使うが、実際の人捜しでは、いなくなった人が使っていたタオルや履いていた靴のにおいを覚え、道などで歩いた痕跡を追う。

「無事に見つかったときはホッとします。逆に交差点などでにおいを見失ったときは残念で仕方がありません」

 大井警察犬訓練所では、現在35匹のシェパードが警察犬として団体生活を送っており、日々訓練に励んでいる。

「みんな仲間だけど、ライバル。誰よりも仕事ができる警察犬になれるよう精進いたします!」

【プロフィール】
名前:バルドゥール ♂
年齢:6歳
種類:犬(ジャーマンシェパード)
勤務先:大井警察犬訓練所
職種:嘱託警察犬
主な仕事内容: 埼玉県にお住まいの皆さんの安全を守る。
お給料:「よくやった、偉かった!」という言葉。
好きなこと:訓練!!
嫌いなこと:雨などで訓練ができないこと。
現在の悩み:10月に行われる日本訓練。チャンピオン決定競技会で普段通りに競技できるかちょっと不安…。
将来の夢:日本一の警察犬として、埼玉県を日本一安全な県にしたい!!

※女性セブン2015年10月22・25日号

関連キーワード

トピックス

畠山愛理と鈴木誠也(本人のinstagram/時事通信)
《愛妻・畠山愛理がピッタリと隣に》鈴木誠也がファミリーで訪れた“シカゴの牛角” 居合わせた客が驚いた「庶民派ディナー」の様子
NEWSポストセブン
米倉涼子(時事通信フォト)
「何か大変なことが起きているのでは…」米倉涼子、違約金の可能性を承知で自らアンバサダー就任のキャンセルを申し出か…関係者に広がる不安がる声
NEWSポストセブン
ドイツのニュルンベルクで開催されたナチ党大会でのヒトラー。1939年9月1日、ナチ・ドイツがポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が勃発した(C)NHK
NHK『映像の世紀』が解き明かした第二次世界大戦の真実 高精細カラー化されたプロパガンダ映像に映る国民の本音、老いて弱りゆく独裁者の姿
週刊ポスト
大阪・関西万博を視察された天皇皇后両陛下(2025年10月6日、撮影/JMPA)
《2回目の万博で魅せた》皇后雅子さまの気品を感じさせるロイヤルブルーコーデ ホワイトと組み合わせて重厚感を軽減
群馬県前橋市の小川晶市長(共同通信社)
「ドデカいタケノコを満面の笑顔で抱えて」「両手に立派な赤ダイコン」前橋・小川晶市長の農産物への“並々ならぬ愛”《父親が農民運動のリーダー》
NEWSポストセブン
萩生田光一元政調会長が幹事長代行へ起用(時事通信フォト)
《SNSで非難轟々》“裏金議員”萩生田光一氏が党執行部入りの背景 永田町関係者が明かす“総裁選での暗闘”と「香水がとてもいい香り」の珍評価
NEWSポストセブン
巨人の阿部慎之助監督(左)とDeNAの三浦大輔監督
セ2位DeNA・三浦監督は勇退で3位巨人・阿部監督は続投でいいのか? 御意見番・広岡達朗氏は「三浦は偉い」「阿部は三浦が辞めた意味すらわかっていないんじゃないか」
週刊ポスト
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(共同通信)
《やる気スイッチ講師がわいせつ再逮捕》元同僚が証言、石田親一容疑者が10年前から見せていた“事件の兆候”「お気に入りの女子生徒と連絡先を交換」「担当は女子ばかり」
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月7日、撮影/JMPA)
《再販後完売》佳子さま、ブラジルで着用された5万9400円ワンピをお召しに エレガントな絵柄に優しいカラーで”交流”にぴったりな一着
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷が“即帰宅”した理由とは
《ベイビーを連れて観戦》「同僚も驚く即帰宅」真美子さんが奥様会の“お祝い写真”に映らなかった理由…大谷翔平が見計らう“愛娘お披露目のタイミング”
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《山瀬まみが7ヶ月間のリハビリ生活》休養前に目撃した“スタッフに荷物を手伝われるホッソリ姿”…がん手術後に脳梗塞発症でICUに
NEWSポストセブン
京都を訪問された天皇皇后両陛下(2025年10月4日、撮影/JMPA)
《一枚で雰囲気がガラリ》「目を奪われる」皇后雅子さまの花柄スカーフが話題に 植物園にぴったりの装い
NEWSポストセブン