【値引きできる物件とできない物件がある】
しかし、すべての物件で値引きが可能であるわけではない。人気エリアの人気物件は依然として売値のままで取り引きされるケースが多い。指し値を入れようものなら、それだけで相手にされない。従って、値引きが可能なのは物件面で何がしかののマイナスがある物件ということになる。
・立地・環境/ゴミゴミした場所、防犯・治安面などで問題のある場所、騒音などの気になる場所など
・交通アクセス/駅からの徒歩10分以上、都心駅まで1時間以上
・物件の状態/内部に汚れが目立ち、設備も老朽化が著しいなど、リフォームが欠かせない場合には、そのリフォーム費用分の値引きの可能性は十分。リフォーム費用の見積りをとってみて、交渉する手もある
【売り出しからの時間が経過している物件】
広告チラシやポータルサイトへの掲載直後には問い合わせも多い。問い合わせが一巡するのは2週間程度。その段階でまだ買い主のメドがたっていないようならチャンスがある。
さらに、3か月程度経過すると、売り主も焦り始める、仲介業者も値引きが必要と判断する時期なので交渉しやすくなる。
売り主のなかには、多少時間がかかっても高く売りたいと、強気の価格設定で売りに出すことがある。しかし、そんな人でも3か月が経過すると、やはり相場よりは高く売れないことに気づき、値引き交渉が可能になる。
【売り急いでいる物件】
買い換え、転勤、離婚、ローン破綻などで売り急いでいる物件なら交渉しやすい。仲介業者に、さりげなく「なぜ売りに出しているのか」を聞いてみる。とにかく早く現金化したいという人であれば、交渉の余地は大きい。
【仲介業者を選ぶ】
仲介業者のなかには、「仲介手数料半額」などをうたい文句にしている業者がいる。業者からすれば、多少手数料が安くなっても、大量に取り扱うことができれば、むしろ売上は多くなる。それを狙って仲介手数料を半額している。
3000万円の物件だと、仲介手数料は、[3000万円×0.03(3%)+6万円]×1.08(消費税)=103万6800円。それが半額になれば実質的には50万円以上の値引きになる。
仲介業者は売り主、買い主双方から手数料を得ることができる。元付け業者で、売り主から手数料が入る(両手)立場であれば、こうした仲介手数料の値引き余地は大きい。あらかじめ「仲介手数料半額」とうたっていない業者であっても、交渉の余地があるかも。
【自分の条件をシッカリと提示する】
強引に、かつ一方的に値引きを迫るのではなく、自分たちの事情を説明して、「2800万円までなら何とか手が届くのだが……」など、真摯な態度で交渉したい。こちらの熱意が伝われば仲介業者も味方になって売り主と交渉してくるはず。
そのためには、あらかじめ自分たちの条件を明確にしておくことが必要だ。できれば、ローンの仮審査を受けて、いくらまで借りられるのかを確定して、自己資金を加えた購入可能額の目安をつけておくといい。それがハッキリしていれば、「2800万円ならすぐにも契約できる」などと仲介会社も交渉しやすくなる。