『下町ロケット』と『コウノドリ』。いずれも、「専門の領域」「現場の詳細」を伝える役割を果たした。振り返ってみれば、広報・ジャーナリスティックな役割がドラマの中で一段と膨らんだ年だったのでは。上記のドラマ以外にも、今年はそうした例がいくつも見つかった。
『破裂』は高齢化社会と安楽死。『デザイナーベイビー』は生殖医療。『わたしをみつけて』は児童虐待、自己肯定感の欠如と再生。それぞれ社会的テーマを主題にリアルに扱っていた(共にNHK)。
人々に深く考える素材を提供し、視聴者の人生の選択にさえ影響を落とす--ドラマの社会的役割が一段と幅を広げた2015年。では、来年はドラマにどんな新しい役割が生まれてくるだろう? おおいに期待したい。