石本:全部ぼくです。わからない時は誰かに聞いてメモしろとか言ってます。名札には、みんな「役者」とか「芸人」と書かせてます。そうすると「頑張ってるね」「今度ライブがあるなら行ってあげるよ」って言ってくださるお客さんもいて。ちょっとしたフックですけど、会話のきっかけになるかもしれない。そんなことも大事だよって教えてます。
でもお客さんに申し訳ないと思う時もあるんです。接待で上司や取引先の偉い人と来て、「芸人」って書いてあったら、正直、そんなものを求めてないってときもあるじゃないですか。それはもう、申し訳ないと思いながら。そういうのを踏まえての、割引とか生ビール10円のサービスなんですよね。
――石本さんのカラーがよく出たお店なんですね。ほかにもそういうものはありますか?
石本:例えば、メニューには写真も料理説明も載せていないんです。そうすると、「このメニューは何ですか?」「これは〇〇です」って、お客さんと従業員のコミュニケーションに繋がりますよね。だから、“わかりにくいメニュー”は戦略なんです(笑い)。
――お客さんとのコミュニケーションを大事にしてるんですね。石本さんは、お店とタレント業のウエイトは、どれくらいの割合ですか?
石本:ウエイトじゃないけど、両方本気でやってますよ。東京にいる時はだいたいお店に行きます。ぼくがお店にいるときは、接客もしてるし、料理もしますよ。
最近『HERO THE TV』(フジテレビ系)で、木村拓哉さんと松たか子さんが店に来てくれたんですよ。すごいと思ったのが、それから予約が殺到して、木村さんが座った席だけ、2か月先まで予約がいっぱいなんです(笑い)。木村さんはラジオでお店の名前をさりげなく言ってくれたり、すごく気遣いのできる方で、かっこいいなって思いますね。
――お客さんに、ヒッチハイクの旅はどうだったんですか?って聞かれませんか?