ビジネス

カチカチで食べられぬもどかしさ解消するアイス専用スプーン

8万本以上売れている『15.0% アイスクリームスプーン』(3240円)

 アイスクリームを食べるためだけに作られたスプーンがある。それが『15.0% アイスクリームスプーン』(3240円)だ。これはアイスクリームを楽しむための商品として「タカタレムノス」(富山県高岡市)が開発したもの。2011年の販売開始以来、8万本以上売れている大ヒット商品だ。“15.0%”というブランド名は、「アイスクリーム=乳固形分15.0%以上」という日本の成分規格に由来する。

「冷凍庫から出したアイスクリームが、カチカチでなかなか食べられないもどかしさを日頃から感じていたんです」

 と、デザイナーの寺田尚樹さんが言うように、この誰もが味わったことのある不便さが、開発のきっかけになった。

「すぐに食べたいのに少しやわらかくなるまで待つのもじれったい。それを解決するにはどうしたらいいかを考え、スプーンの素材に熱伝導率の高いアルミニウムを採用。これでスプーンからアイスクリームへと体温が伝わりやすくなり、アイスクリームにスプーンが入りやすくなりました」(寺田さん)

 思惑通りに食べられるかどうかテストをしたところ、カチカチに凍った状態でもスプーンがスッと入って、スムーズにアイスクリームをすくうことに成功。スタッフ一同、大きな手ごたえを感じながらも、その後、食べる時の唇の感触や持った時の握り心地など、微調整を何度も繰り返した。販売に至ったのは構想から約1年後のことだ。

「実は“3000円もするスプーンなど、売れるはずもない”という反対の声が、社内でも結構ありましたが、優れた商品だと確信していたので、魅力がきちんと伝われば売れると思って販売をスタートさせました。とはいえ発売後、一時は生産が追いつかないほど支持していただけるとはさすがに予想以上です(笑い)」

 と、広報担当の菊池圭輔さんは微笑む。硬いアイスクリームにスプーンが軽々と入っていく不思議な感覚、試してみませんか?

※女性セブン2016年2月25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
「2024年に最もドッキリにかけられたダマされ王」ランキングの王者となったお笑いコンビ「きしたかの」の高野正成さん
《『水ダウ』よりエグい》きしたかの・高野正成が明かす「本当にキレそうだったドッキリ」3000人視聴YouTube生配信で「携帯番号・自宅住所」がガチ流出、電話鳴り止まず
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【20歳の女子大生を15時間300万円で…】男1人に美女が複数…「レーサム」元会長の“薬漬けパーティ”の実態 ラグジュアリーホテルに呼び出され「裸になれ」 〈田中剛、奥本美穂両容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
国技館
「溜席の着物美人」が相撲ブームで変わりゆく観戦風景をどう見るか語った 「贔屓力士の応援ではなく、勝った力士への拍手を」「相撲観戦には着物姿が一番相応しい」
NEWSポストセブン
(左から)「ガクヅケ」木田さんと「きしたかの」の高野正成さん
《後輩が楽屋泥棒の反響》『水ダウ』“2024年ダマされ王”に輝いたお笑いコンビきしたかの・高野正成が初めて明かした「好感度爆上げドッキリで涙」の意外な真相と代償
NEWSポストセブン
前田亜季と2歳年上の姉・前田愛
《日曜劇場『キャスター』出演》不惑を迎える“元チャイドル”前田亜季が姉・前田愛と「会う度にケンカ」の不仲だった過去
NEWSポストセブン
フィリピン人女性監督が描いた「日本人の孤独死」、主演はリリー・フランキー(©︎「Diamonds in the Sand」Film Partners)
なぜ「孤独死」は日本で起こるのか? フィリピン人女性監督が問いかける日本人的な「仕事中心の価値観」
NEWSポストセブン
timelesz加入後、爆発的な人気を誇る寺西拓人
「ミュージカルの王子様なのです」timelesz・寺西拓人の魅力とこれまでの歩み 山田美保子さんが“追い続けた12年”を振り返る
女性セブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《私が撮られてしまい…》永野芽郁がドラマ『キャスター』打ち上げで“自虐スピーチ”、自ら会場を和ませる一幕も【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
(SNSより)
「誰かが私を殺そうとしているかも…」SNS配信中に女性インフルエンサー撃たれる、性別を理由に殺害する“フェミサイド事件”か【メキシコ・ライバー殺害事件】
NEWSポストセブン
電撃引退を発表した西内まりや(時事通信)
電撃引退の西内まりや、直前の「地上波復帰CMオファー」も断っていた…「身内のトラブル」で身を引いた「強烈な覚悟」
NEWSポストセブン
女性2人組によるYouTubeチャンネル「びっちちゃん。」
《2人組YouTuber「びっちちゃん。」インタビュー》経験人数800人超え&100人超えでも“病まない”ワケ「依存心がないのって、たぶん自分のことが好きだから」
NEWSポストセブン