国際情報

日本の憲法9条にノーベル平和賞を運動 韓国で活発に

日本の護憲派を韓国が後押しする構図 Rodrigo Reyes Marin/AFLO

 韓国は慰安婦問題等で直接的に日本を批判するだけではなく、アメリカなどでロビー活動を展開して外交的に有利な立場に立とうと画策してきた。その彼らが、今度は日本の「憲法9条」を利用しようと国際的な活動を始めている。産経新聞ワシントン駐在客員特派員で、麗澤大学特別教授の古森義久氏がレポートする。

 * * *
 日本の「憲法9条」にノーベル平和賞を受賞させようという運動が日本国内の護憲派の一部で進められている。明らかに憲法改正を阻むためにノーベル賞という名誉ある「外圧」を引き込もうという政治戦略の臭いの露骨な動きである。そのためのノーベル委員会への推薦の締め切りが2月1日となっていた。

 だが奇妙なことにこの日本の憲法9条にノーベル平和賞を与えようという運動はお隣の韓国でも日本以上ともいえるほど活発かつ広範となってきた。日本側の一部が韓国側に協力を求めたことが端緒だが、韓国独自の活動も盛んになってきたようなのだ。

 日本では「『憲法9条にノーベル平和賞を』実行委員会」(共同代表・石垣義昭氏ら)という組織が2014年前後からこの活動の主体となってきた。その中核はいわゆる左翼の反自民の活動家たちで、一般への推薦の呼びかけも「憲法違反の安保法制を廃止し」「憲法9条を世界に輝かせ」るため「ノーベル平和賞の授与を願う」という特定の政治的立場を鮮明にしている。

 同実行委員会はノーベル委員会への請願書でも「第9条は日本国が戦争をできないように歯止めをかけているが、いまや改憲の危機にさらされている」と述べ、憲法の改正を阻むためにノーベル賞を使う意図も明確にしている。

◆韓国元首相も俳優も詩人も賛同

 ただしノーベル賞は個人や組織が対象であり、特定の憲法や法制度が受賞はできない。

 この運動が始まった頃、実行委員会側はそのことを知らなかったようで、後から推薦受賞者を「憲法9条を保持する日本国民」としたらようやく受理されたという。文字どおり日本国民全体という意味だった。だが2014年、2015年と推薦を受けたノーベル委員会側では当初、そうした名称の特定の民間団体かと誤解したという笑い話のような情報もあった。いずれにせよ、その両年とも落選となった。

 同実行委員会では2016年も同様の推薦を訴えるキャンペーンを内外で進めている。日本語だけでなく英語、朝鮮語、中国語の署名を募るアピール文書がインターネットなどで広範に流されている。

 だが興味深いのは、その運動が韓国で意外な広がりをみせていることだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

歓喜の美酒に酔った真美子さんと大谷
《帰りは妻の運転で》大谷翔平、歴史に名を刻んだリーグ優勝の夜 夫人会メンバーがVIPルームでシャンパングラスを傾ける中、真美子さんは「運転があるので」と飲まず 
女性セブン
安達祐実と絶縁騒動が報じられた母・有里氏(Instagramより)
「大人になってからは…」新パートナーと半同棲の安達祐実、“和解と断絶”を繰り返す母・有里さんの心境は
NEWSポストセブン
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《小島瑠璃子が活動再開を発表》休業していた2年間で埋まった“ポストこじるり”ポジション “再無双”を阻む手強いライバルたちとの過酷な椅子取りゲームへ
週刊ポスト
安達祐実と元夫でカメラマンの桑島智輝氏
《ばっちりメイクで元夫のカメラマンと…》安達祐実が新恋人とのデート前日に訪れた「2人きりのランチ」“ビジュ爆デニムコーデ”の親密距離感
NEWSポストセブン
イベントの“ドタキャン”が続いている米倉涼子
「押収されたブツを指さして撮影に応じ…」「ゲッソリと痩せて取り調べに通う日々」米倉涼子に“マトリがガサ入れ”報道、ドタキャン連発「空白の2か月」の真相
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《安達祐実の新恋人》「半同棲カレ」はNHKの敏腕プロデューサー「ノリに乗ってる茶髪クリエイターの一人」関係者が明かした“出会いのきっかけ”
NEWSポストセブン
元従業員が、ガールズバーの”独特ルール”を明かした(左・飲食店紹介サイトより)
《大きい瞳で上目遣い…ガルバ写真入手》「『ブスでなにもできないくせに』と…」“美人ガルバ店員”田野和彩容疑者(21)の“陰湿イジメ”と”オラオラ営業
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《“奇跡の40代”安達祐実に半同棲の新パートナー》離婚から2年、長男と暮らす自宅から愛車でカレを勤務先に送迎…「手をフリフリ」の熱愛生活
NEWSポストセブン
「ガールズメッセ2025」の式典に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月19日、撮影/JMPA)
《“クッキリ”ドレスの次は…》佳子さま、ボディラインを強調しないワンピも切り替えでスタイルアップ&フェミニンな印象に
NEWSポストセブン
結婚へと大きく前進していることが明らかになった堂本光一
《堂本光一と結婚秒読み》女優・佐藤めぐみが芸能界「完全引退」は二宮和也のケースと酷似…ファンが察知していた“予兆”
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)
《GPS持たせ3か月で400人と売春強要》「店ナンバーワンのモテ店員だった」美人マネージャー・田野和彩容疑者と鬼畜店長・鈴木麻央耶容疑者の正体
NEWSポストセブン
Aさんの左手に彫られたタトゥー。
《10歳女児の身体中に刺青が…》「14歳の女子中学生に彫られた」ある児童養護施設で起きた“子供同士のトラブル” 職員は気づかず2ヶ月放置か
NEWSポストセブン