「私の印象ですが、レーザーはラジオ波よりも出力が高いので、焼きすぎる傾向にあり、血管内皮だけでなく血管の壁にも孔(あな)が空き、内出血の合併症が起こる可能性が高いと考えています。当センターでは、合併症の可能性を少しでも減らすよう血管径が9ミリ以下はラジオ波で治療を行ない、それ以上はストリッピング手術という、逆流している血管を抜き取る手術を実施しています」(奈良原センター長)

 ラジオ波焼灼治療は、全身麻酔に加え、ラジオ波をかける血管周囲にTLA麻酔を行なう。これは通常より薄い麻酔液を大量に使用し、皮膚を膨化して痛みを予防するだけでなく、止血の効果もある。

 ふくらはぎのこぶが気になる場合は、3~5ミリほど皮膚を切り、膨れている血管だけを切除することも可能だ。1泊2日の入院で翌日には退院できる。このセンターでは、心臓血管外科と皮膚科が協力し、血管治療と皮膚治療を並行させて美容的側面も考慮した治療を行なっている。

■取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2016年2月26日号

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