ライフ

計るだけダイエット 脳の働きを利用した科学的な減量法

 朝晩の1日2回体重を計って記録するだけ、という「計るだけダイエット」は、現在、日立製作所や花王など多くの企業が従業員の健康管理に取り入れている。だが、そんな簡単なことで本当にやせられるのか? 元NHK『ためしてガッテン』ディレクターで、考案者の北折一氏によると、そこには科学的根拠がある。

 朝食前、排尿排便後の体重(1日で一番軽い体重)と夕食直後の体重(1日で一番重い体重。就寝前でもOK)を用紙にマークして線で結び、増減を折れ線グラフにする。「多く食べれば太り、少なければやせる」という当たり前の事実を目で見てわかる形にすることが最大のポイントだ。

 増減を認識しやすくするために、50~100グラム単位で測れるデジタル体重計を用意しよう。グラフの上下を眺めているうちにより減らしたい欲求が芽生え、ゲーム感覚でダイエットを進められる。

「人間は喜びを感じたとき、脳内に快楽物質β-エンドルフィンが分泌されるのですが、次第に“多く食べたときの快感”と“右肩下がりのグラフを見たときの快感”を脳が天秤に掛け、後者を選択するようになる。そうした喜びが原動力になるので長続きしやすく、リバウンドしにくいのです」(北折氏)

 ダイエットのペースもゆっくりでよく、目安は1日50グラム程度。卵1個分だ。それでも3か月で4.5キロもの減量になる。目標体重となったら、その状態をキープするのが理想だ。

「脂肪細胞は、食欲を抑制し代謝を上げるよう脳に求めるレプチンというホルモンを分泌しています。いわば“体内やせ薬”ですが、急激に体重が減るとレプチンも急減し、リバウンドの原因になります」

 ゆっくりしたペースでやせればレプチンは急減せず、その働きが続く。

 北折氏が考案したグラフには「メモ欄(言い訳)」が用意されている。体重が一気に増えたとき、「呑んだ後にラーメンを食べた」といった言い訳を記入する。それによって気持ちが楽になり、太った原因も客観化され、やがて自制の気持ちが働くようになる。

 結果を急いでリバウンドする失敗を脳の働きで回避する、実に理にかなった方法だ。

※週刊ポスト2016年2月26日号

関連記事

トピックス

解散を発表したTOKIO(HPより)
《TOKIO解散には迷いなし?》松岡昌宏、「男気会見」で隠せなかった本音 唯一違った“足の動き”を見せた質問とは?
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
ディップがプロバスケットボールチーム・さいたまブロンコスのオーナーに就任
気鋭の企業がプロスポーツ「下部」リーグに続々参入のワケ ディップがB3さいたまブロンコスの新オーナーなった理由を冨田英揮社長は「このチームを育てていきたい」と語る
NEWSポストセブン
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《渡部建の多目的トイレ不倫から5年》佐々木希が乗り越えた“サレ妻と不倫夫の夫婦ゲンカ”、第2子出産を迎えた「妻としての覚悟」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン
都内の日本料理店から出てきた2人
《交際6年で初2ショット》サッカー日本代表・南野拓実、柳ゆり菜と“もはや夫婦”なカップルコーデ「結婚ブーム」で機運高まる
NEWSポストセブン