確かに、グラウンドでの金本監督の気迫はただならぬものがある。9日の広島戦。レフト前にあがったフライを福留孝介がダイビングキャッチ。いったんは捕球していないとジャッジされたが、金本監督はすぐさまベンチから飛び出し猛抗議。審判はその剣幕に気圧されたのか、判定はアウトに覆った。黄色で埋めつくされた甲子園のライトスタンドからは「アニキぃ~!」の大合唱が巻き起こった。
オドオド感がにじみ出る某在京球団のイケメン新監督とは対照的に、監督1年生とは思えない存在感だ。
翌日の試合(10日・広島戦)は6回までに4点差をつけられる劣勢。7回の攻撃を前に円陣を組み金本監督が檄を飛ばした。
「このままズルズル終われば(去年と)何も変わってない。何とかしろ!」
すると最終回、3番江越がボテボテのサードゴロをヘッドスライディングでセーフにするなど闘志あふれる猛攻で1点差にまで詰め寄った。
「負けたものの、スタンドからは“ようやった!”と拍手が沸いた。負けたのに六甲おろしを歌い始める連中もいた。長い番記者歴でこんな光景は見たことない」(スポーツ紙担当記者)
※週刊ポスト2016年4月29日号