この件について、テレビ朝日は「5月12日放送時点では、事実関係が確認できた図を放送した。現在は電通についても必要に応じて報道しています」(広報部)、TBSは「放送内容についてのお問い合わせは、お答えしておりません」(総務局広報部)とそれぞれ回答した。博報堂出身で『電通と原発報道』の著作がある作家・本間龍氏が指摘する。
「及び腰の正体はメディアの自主規制。特にテレビに顕著ですが、代理店の機嫌を損ねたくないのです。テレビ局側は“代理店を怒らせたらCM枠販売に支障が出る”と懸念し、勝手に報道を自粛してしまう。各局とも広告収入が減る中で、遠慮が大きくなっている」
さらに、電通と各テレビ局は五輪をはじめスポーツ中継やイベント開催などで密接な協力関係にある。また、朝日、読売、毎日、日経の大手新聞4社も、東京五輪のオフィシャルスポンサーとして合計60億円のスポンサー料をJOCに支払うことが決定している。“東京五輪ビジネスの仲間”であることも尻込みする一因なのか。
※週刊ポスト2016年6月3日号