孤立は高齢者を不健康にするともいわれる。食べるという行為一つとっても、誰かと話しながら、笑ったりするのとしないのとでは大きく違う。高齢者男性で孤食の場合、うつ病発症リスクは、孤食でない人の2.7倍にふくれあがるという調査結果もある。
そんななか那覇市では、65才以上の単身世帯が、2003年から2013年の10年間で約1.7倍に急増している。
「地域の中で支え合い、高齢者がいきいきと、安心して暮らせる那覇市を目指し、高齢者が健康を保ち、生活できるよう、介護予防を充実していきたいです」(担当者)
沖縄県保健医療部健康長寿課健康企画班の主任・伊本剛さんによれば、そういった動きは確かに始まっている。
次世代の健康づくりの副読本として、県内の小学校に、食を考える「くわっち~さびら(=いただきます)」、生活習慣を考える「ちゃ~がんじゅう(=いつまでも元気)」が配布されている。
「『くわっち~さびら』は小学1年生に配布して6年生まで使ってもらう。バランスの良い食生活や、沖縄の伝統的な食事の良いところ、例えば減塩の工夫などから食育を行うのが目的です。『ちゃ~がんじゅう』では健康的な生活習慣や喫煙、過度の飲酒がもたらす生活習慣病について書かれています。
下の世代から働きかけることで、その親世代の生活習慣も変わっていき、高齢者がより長く、健康で楽しい生活を送れたらいいなと願っています」(伊本さん)
※女性セブン2016年7月14日号