大腸がんのトップはがん研究会有明病院。手術は年間640例以上に及ぶ。大腸がん専門の外科医、内科医、化学療法専門医によるチーム医療が特徴で、かなり進行していても、化学療法と放射線療法、手術を組み合わせて完治を目指すという。“最後まで諦めたくない”人にとって心強い体制が築かれている。
肝がんは、胃がんと同じく国立がん研究センター東病院がトップだった。
「大腸がんからの転移先として最も多いのが肝がんです。当院では、日本で初めて導入した陽子線治療法(※2)と併せ、他の化学療法も行なっています。これによってがんが小さくなれば、転移した肝がんでも切除が可能になる場合がある。このような手術をこれまでに100例以上行なっています」(国立がん研究センター東病院)
【※2:陽子線治療法/放射線治療のひとつ。水素や炭素などのミクロ粒子の中で、一番軽い水素を用いてがん部分に照射する治療法。周辺の正常な細胞にほとんど影響することなく、がん細胞に直接到達し、死滅させることができる】
肺がんは静岡県立静岡がんセンターがトップ。進行がん患者の受け入れが多い理由について、同センター呼吸器内科部長・高橋利明氏はこう答えた。
「地域に肺がん治療の専門医が少ないため紹介が集中しています。また年齢や合併症などにより化学療法を受けることができなくても、緩和医療を希望されている場合には患者さんを受け入れているのも理由のひとつ。加えて患者さんの希望に添って転院していただくことなくお看取りまで行なっているのも当院の特徴です」
※週刊ポスト2016年10月14・21日号