スポーツ

箱根連続出場は87年で途切れるのか? 中央大の大一番

中央大は87回連続90回の出場記録を誇る

 昨年、コアな箱根駅伝ファンの間で話題沸騰となった、ウェブメディア「駅伝ニュース」の面々による“詳しすぎるレポート”が今シーズンも週刊ポストに帰ってきた! 主宰者である「博士」こと西本武司氏と相棒の「マニアさん」が、全国のレース現場を手弁当で回って得た見どころ情報を一挙公開。本気を出した駅伝オタク集団の独自すぎる着眼点を知れば、駅伝をより楽しめることだろう。

 * * *
 10月15日の箱根駅伝予選会(立川市陸上自衛隊立川駐屯地スタート)で、私たちが最も注目するのは中央大だ。87回連続90回の出場記録を誇る超名門は、6月の全日本駅伝予選会でまさかの予選落ち。

 このままでは箱根の連続出場記録が途絶えるのでは──そんなピンチに、藤原正和・新監督は急遽、大改革に着手。なんと、7月に入って主将と副主将に1年生を抜擢したのだ。しかも、主将の舟津彰馬、副主将の田母神一喜ともに、その時点での専門は中距離(800m、1500m)。箱根で約20kmを走れるかは未知数だった。

 この荒療治で、空気は変わった。主将交代から約1週間後のホクレンディスタンス網走で舟津、田母神がいきなり自己新をマーク。舟津は“専門外”だったはずの5000mで13分58秒を叩き出し、4年生エースの町澤大雅のベスト(14分2秒)を抜き去った。

「舟津13分台情報」を多摩の合宿所で知った町澤は、その複雑な心境をツイッターに投稿した。

〈後輩の13分台が喜ばしい反面、自分がずっと欲しかったものを先に手に入れられたことへの悔しさと今の自分に対する怒りと焦りで情緒が安定しない。俺も頑張るしかない〉

 この投稿の直前までポケモンGOについてツイートしていた町澤の意識に、何らかの変化があったのは確かだろう。箱根駅伝テレビ解説の碓井哲雄さん(中央大OB、神奈川工科大監督)を喜ばせるためにも、町澤の発奮に期待だ。藤原改革の成否は、10月15日に答えが出る。

文■西本武司/1971年福岡県生まれ。メタボ対策のランニング中に近所を走る箱根ランナーに衝撃を受け、箱根駅伝にハマる。そのうちに、同じような箱根中毒の人々とウェブメディア「駅伝ニュース」を立ち上げる。本業はコンテンツプロデューサー。ツイッターアカウント名は「公園橋博士」、相棒は「マニアさん」(アカウント名「@EKIDEN_MANIA」)

撮影■EKIDEN News

※週刊ポスト2016年10月28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン