2人は冨士さんが10代で女優活動を、黒柳さんが20代前半でタレントとして活動を始めたころからのつきあい。古くからの友人とあって、お互いの若かりし頃のエピソードから、冨士さんが現在愛用している杖の話まで、“女子トーク”に花が咲いた。話題はお互いの母親のことに。

「チャック(黒柳さんの愛称)のお母さんも随分長寿でいらしたんでしょう」(冨士さん)

「私の母は96です。死ぬギリギリまで元気だったから。“じゃあね”って、別れたらそれで死んだぐらいだから」(黒柳さん)

 冨士さんがしみじみと「いくつになっても女親って生きてくれていると思うから、いなくなると寂しいわよね」と語ると、黒柳さんは「そうね、今頃になってね。あなた、お母さまは?」と尋ねた。冨士さんは、

「もう亡くなくなりました。90で。この頃ね、母のことを考えると、あの時は、つらかったんだとか、目が痛い、目が痛いとか、聞き逃していたけど、自分がこういう年になってみると、なんであの時にもっと親身になって心配しなかったのかしらって」

 母親のことを振り返りながら、本書について話を始めた。佐藤さんは自身の体の不調について嘆きながら、周囲に理解してもらえないつらさを書いているが、2人ともそこに共感したようだ。冨士さんはこう語った。

「年をとったことを実感するっていうんだけどね、起きたときに目が開かないって。私も、こうやんないとね(と、両人差し指で左目を見開きながら)、目が見えない時がある。こうやって両方あけないと(両人差し指で右目を見開きながら)。それとか耳が片っぽダメとかね、そういうのがあるじゃない。だから、愛子先生の本を読むと力づけられて元気になる」

 黒柳さんも「そうそうそう」と大きくうなずいた。

 黒柳さんは、体力作りのために日課として、ヒンズースクワットを毎日50回、欠かさずやっているとインタビューなどでたびたび明かし、テレビや舞台でも活発な姿を見せている。目標は今年40周年を迎えた『徹子の部屋』を自身が93才となる50周年まで、そして100才まで舞台に立つことだと明かしている。今年93才になる佐藤さんの元気な姿に、自分の10年後を重ねているのかもしれない。

 番組放送後、改めて冨士さんに話を聞くと…。

「本当は『グチャグチャ飯』(本書に収められたエッセイ)のこととか、『九十歳。何がめでたい』について2人でもっと話して盛り上がったんですよ。本は3回くらい読みましたけど、何回読んでも面白くて、やっぱり『グチャグチャ飯』で泣きました」

※女性セブン2016年11月3日号

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