「第一にこれまで都政にはみんなあまり関心を払ってきませんでした。誰も監視しないと緊張感がなくなり、そこで何が行われているかわからなくなります。その意味では、私が都政の問題を取り上げることで、多くの人が関心を抱いていなかった事実が明白になり、同時に問題点も多く出てきています。これまで誰がどこでどう決めていたのかという問題が透けて見えてきた。
それから、都議会の仕事ですね。地域住民にとって区議会や市議会の議員は身近ですし、国会議員は国会の予算委員会などで注目されます。ところが、都議会議員はどんな人がやっているか見えにくい。都議会の政策がちゃんと遂行されているのか、お金が正しく使われているのか、これまでは関心を持たれなかった」
小池知事が明かしたブラックボックスの代表が「税金の使い道」だ。12日に行われた予算編成ヒアリングもその一例。これまで都議会の各会派が非公開で業界団体の意見を聞き、予算に盛り込んでいた200億円にも及ぶ「政党復活予算」を小池知事の判断で廃止する代わりに、業界団体の要望を公の場で聞く試みだ。これには都議会各会派が持っていた力の源泉たる予算を奪う狙いがあり、質問の事前通告の廃止は、議会による意趣返しといえる。
しかし、その是非は明らかだろう。すでに東京オリンピックや豊洲移転では、不透明な費用の増加が顕わになった。
「最初は何十億円だったはずのオリンピック会場がいきなり1000億円になったり、そうかと思えば半額になったりしています。バナナの叩き売りみたいで、評価の信頼性に傷がつきます。豊洲新市場だって、すでに6000億円ものお金が注ぎ込まれたのに安全性が疑問視されている。誰が決めたのか、誰が責任を取るのかということで、私が就任してから、掘れば掘るほど問題点が出てきています」
※女性セブン2017年1月1日号