それこそ、今回の事件じゃないけれど、変な方向に走っちゃう人がいる。もうちょっと時期を見てまたアタックするとか、自分の何がいけなかったのか考えてからもう1回という工夫がないんです。振られたら呪う。振られたら、地獄に落ちろ。単純なんです」(如月さん)
いずれにしても薄気味悪いことこの上ないが、実は「呪い」にはまったく異なる意味もある。
「そもそも『呪い』とは、占いのこと。神社や寺に祀られていない名もなき多くの神に祈願し、願いを成就させるためのものです。人の不幸を願うような悪い『呪い』だけでなく、恋愛成就や仕事の成功祈願など、良い『呪い』もあります。昨年4月に“今年中に結婚したい”と依頼してきた女性は、昨年中に結婚して子供も授かりました」
また、わら人形を「守り神」としてまつり上げる文化が残っている地域もある。
例えば、岩手県西和賀町の「白木野人形送り」は、巨大なわら人形を先頭に地域を歩き、地域境の木に人形を結びつける厄払いのお祭りだ。地元で長年祭りに携わる高橋美通さんに「呪いのわら人形との関係は?」と聞くと、「呪って逮捕された事件とは関係ねえ、全然関係ねえですよ」ときっぱり。
「岩手のあれはよ、厄病祭りというんだよな。でもほれ、人形送りともいうよ。厄病が村の外から来ないようにと、集落を守ってもらう。呪いではなくお願いする、厄病疫病が来ないようにと見守ってもらうんだから」
※女性セブン2017年3月2日号