「食欲がないからといって、何も食べないのでは栄養不足のために免疫力が低下してしまいます。頑張ってしっかりと食事をとること。そして水分をきちんととることが大切です。高熱が出ることで体から水分が蒸発し、体内の水分が不足してしまう。とくに高齢者は、脱水状態のために腎不全を起こしてしまうケースもある。果物やジュースからでもいいので、栄養と水分をしっかりとりましょう」(宮川さん)
インフルエンザの予防接種を受けた人も油断してはいけない。インフルエンザワクチンの有効率は60~70%。仮に感染しても重症化しにくいが、稀に重症化して亡くなるケースもあるから「絶対安心」とは言い切れないのだ。
「ワクチンを打った人の場合、症状があまり出ず、“普通の軽い風邪”と思って病院に行ったらインフルエンザだったということがざらにあります。発見が遅れてこじらせたり、周囲にインフルエンザウイルスをばらまいてしまう危険性があるので、“普通の風邪だろう”と思っても、一度受診したほうがいい」(宮川さん)
A香港型の流行は2月下旬まで続き、その後、徐々に患者は減っていくと見られるが、安心するのはまだ早い。
「3月になると、今度はB型が流行り始めます。B型は基本的にA型と同じ。引き続き注意が必要です」(宮川さん)
インフルエンザが普通の風邪と違うのは、飛沫感染だけでなく、接触感染もしてしまうこと。例えばインフルエンザにかかった人が触った電車の吊り革などに触れると、指についたウイルスが鼻や口に入って感染してしまう。予防のために、徹底した手洗いを忘れないことが肝心だ。
※女性セブン2017年3月2日号