ライフ

100歳で現役も ED治療最終手段「プロステーシス手術」

ED治療の最終手段とは?(写真はイメージ)

 高齢化社会の到来とともに「ED」という単語も広く浸透。ED治療を受けたり、ED治療薬を服用したりして、豊かな性生活を楽しんでいる人は少なくないだろう。

 ED治療薬などで治療を行なっても勃起障害が改善しない場合、後戻りできない代わりに絶大な効果を得られる“最終手段”が残されている。それが「陰茎プロステーシス手術」だ。弾力のあるシリコン製の部材「プロステーシス」を“芯棒”としてペニスの海綿体内に埋め込むことで、膣内に挿入できるレベルの硬さを取り戻すという外科的治療である。

 同手術を10年間で100例以上行なってきた、東邦大学大森病院・リプロダクションセンター教授の永尾光一医師が解説する。

「この手術を受ければ、かなり高齢の方でもセックスが可能になります。60~70代が多いのですが、80代後半で手術を受けた人もいる。その方は、今でも定期的に満ち足りたセックスを楽しんでいらっしゃると報告してくれています。理屈でいえば、この手術をすれば、100歳になってもセックスが可能です」

 まさに“死ぬまでSEX”を実現する手術といえる。具体的にどのような施術がなされるのか。

「亀頭の裏側の、やや根本寄りの部分に3cmほどメスを入れて切開し、そこから患者のペニスの長さに合わせて加工したプロステーシスを挿入します。手術は局所麻酔を使い1時間ほどで完了。多くの患者は日帰りできますが、傷口が安定する術後2か月程度まで性行為は厳禁です」(同前)

 同手術の体験者である74歳のA氏が顔をほころばせる。

「私は糖尿病の持病があり、バイアグラをはじめとするED治療薬が効かず、セックスは一生無理だと諦めていたんです。だから、手術後に30歳下の彼女とうまくセックスできたときは『生きていてよかった』としみじみ思いました」

 長期的なED治療も不要、薬代もかからなくなるうえ、毎日でもセックスが可能になる画期的な手術だが、デメリットもある。まずは手術費用だ。

「保険診療の適用外なので、材料費、手術費含めて70万円程度かかります」(永尾医師)

 また、一度シリコンを挿入したペニスは、いわば“勃起しっぱなし”の状態。そのため、普段はペニスを下向きや折り曲げてパンツ内に収めておき、性交時にはグイッと起こして挿入する。それまでの生活と勝手がちがうため、抵抗がある人は少なくない。

 さらに、一度この手術を受けると自然な勃起力は失われる。決して“後戻り”はできないのだ。とはいえ、諦めていた勃起機能が取り戻されることによって多くの男性が救われていることは事実である。

※週刊ポスト2017年3月24・31日号

関連キーワード

トピックス

釜本邦茂さん
メキシコ五輪得点王・釜本邦茂さんが語っていた“点取り虫”になる原点 “勝負に勝たなければならない”の信念は「三国志」に学んでいたと語る
NEWSポストセブン
雅子さまのご静養に同行する愛子さま(2025年8月、静岡県下田市。撮影/JMPA) 
愛子さま、雅子さまのご静養にすべて同行する“熱情” そばに寄り添う“幼なじみ”は大手造船会社のご子息、両陛下からも全幅の信頼 
女性セブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴行動画に批判殺到の花井組》社長らが書類送検で会社の今後は…元従業員は「解体に向けて準備中」、会長は「解体とは決まっていない。結果が出てくれば、いずれわかる」と回答
NEWSポストセブン
釜本邦茂さん
追悼 釜本邦茂さんが語っていた“理想の最期” 自身の両親のように「誰にも迷惑をかけず逝きたい」と話し、「葬儀ではマツケンサンバを」と笑顔で語る一幕も
NEWSポストセブン
ベッド上で「あー!」
《大谷翔平選手の“アンチ”が激白》「すべてのアンチに、アンチとしての覚悟を持ってほしい」地獄の応援芸・740km超えマラソンでたどり着いた“アンチの矜持”
NEWSポストセブン
猫愛に溢れるマルタでは、動物保護団体や市民による抗議活動が続いているという(左・時事通信フォト)
《深夜に猫地面にたたきつける動画》マルタで“猫殺し”容疑で逮捕の慶應卒エリート・オカムラサトシ容疑者の凶行と、マルタ国民の怒号「恥を知れ」「国外に追放せよ」
NEWSポストセブン
大神いずみアナ(右)と馬場典子アナが“長嶋茂雄さんの思い出”を語り合う
大神いずみアナ&馬場典子アナが語る“長嶋茂雄さんの思い出”「こちらが答えて欲しそうなことを察して話してくれる」超一流の受け答え
週刊ポスト
夜逃げした「郷土料理 たち川」に、食品偽装があったという(左はinstagramより、右は従業員提供)
「飛騨牛はホルスタイン、天然鮎は養殖モノ…」岐阜・池田温泉、町が委託したレストランで“食品偽装疑惑”「仕入れ先が減り、オーナー自らスーパーで割引の商品を…」【7月末に夜逃げしていた】
NEWSポストセブン
痩せる前のエヴィヤタルさん(インスタグラムより)
「弟はもはやガイコツ」「この穴は僕が埋葬される場所だろう」…ハマスが“人質が自分の墓を掘る”動画を公開し世界各国から非難噴出《飲まず食わずで深刻な飢餓状態》
NEWSポストセブン
本州に生息するツキノワグマ。体長120~180センチほど。最近では獣害の被害が増えている(イメージ)
《襲われる被害が多発》クマに悩まされる養蜂家たちが告白 「今年はあきらめるしかない…」「槍を作って山に入るヤツもいる」
NEWSポストセブン
デコラファッションで小学校に登校していたいちかさん、中学生となり衝撃の変貌を遂げていた…!
《デコラ小学生が衝撃の変貌》グリーン&ゴールド髪が“黒髪少女”に大転身「ほぼスッピンのナチュラルメイクで中学に登校する」意外な理由とは
NEWSポストセブン
昨年に第一子が誕生したお笑いコンビ「ティモンディ」の高岸宏行、妻・沢井美優(右・Xより)
《渋谷で目立ちすぎ…!》オレンジ色のサングラスをかけて…ティモンディ・高岸、“家族サービス”でも全身オレンジの幸せオーラ
NEWSポストセブン