エヴィヤタル・ダヴィド氏(インスタグラムより)
「弟はもはやガイコツだ。いつ死んでもおかしくないほど飢えさせられ、ひどい苦痛に耐えている。ほとんど何も話せず、動くこともできない」──パレスチナ・ガザ地区で拘束されているイスラエル人のイライ・ダヴィド氏は、8月4日(現地時間、以下同)BBCの取材でこのように語った。イスラム組織ハマスが公開した「ある動画」を受けての訴えである。
ハマスは8月2日、人質であるエヴィヤタル・ダヴィド氏(24)が痩せ細った姿で地下のトンネルと見られる場所に拘束されている映像を公開。エヴィヤタル氏は動画内で「数日間何も食べていない……。飲み水も手に入らない」と語り、スコップで土を掘りながら「この穴は、僕が埋葬される場所だろう」「解放されて家族と共に自分のベッドで眠りたい」と泣き崩れた。
この映像を受けて、ハマスへの非難が西側諸国から噴出。赤十字国際委員会(ICRC)は、「人質が命に関わる状況に置かれていることを明確に示す証拠」であるとし、「愕然とした」と述べた。
大手紙国際部記者が語る。
「2023年10月17日にハマスがイスラエル南部を奇襲した際、エヴィヤタル氏は音楽フェスティバル『スーパーノヴァ』に参加していました。その場で人質として拉致され、現在も49人がガザで拘束されています。うち27人はすでに死亡していると見られていますが、エヴィヤタル氏は現在も生存しているうちの1人です」