米陸軍の中将で大統領補佐官のハーバート・マクマスターは、北朝鮮を「核兵器を保有した不良政権」とさえ呼んでいる。このことから考えても、朝鮮半島への攻撃が、何の戦略もなく始まる可能性もある。米軍の暴走が始まった時、甚大な被害に晒されるのは、他でもない日本なのだ。
トランプの支持率は、35%まで落ち込んだ。就任直後も45%と低かったが、そこからあっという間に10ポイントも下がったことになる。ウォール・ストリート・ジャーナルが「これほど早期にここまでの低空飛行は前例がない」と指摘するほどだ。
オバマケアを廃止して新たな医療制度をスタートさせる法案は、与野党の反対で頓挫した。大統領令の連発にも限界がある。法案も通せず、支持率も低迷するトランプは、もはや“裸の王様”になった。軍はますますこの大統領を操りやすくなるだろう。
※SAPIO2017年6月号