そんな中、たとえ話というか週刊誌文脈のガハハオヤジ的比喩は案外愛される。週刊ポストでは広島カープ・鈴木誠也が深夜の路上で美女の胸を揉んでいたことを報じた。これがネットに〈鈴木誠也「深夜の特打ち」撮 翌日は2本塁打5打点の大暴れ〉と〈広島・鈴木誠也、路上で美女の胸を「揉みってる」写真〉のタイトルで転載されたが、「深夜の特打ち」と「揉みってる」はなかなか好評だった。

「深夜の特打ちとかいうタイトルええな」などの声に加え、「性夜の特打ちか」と発展させる者も登場した。

 スポーツ選手と女性の密会や乱痴気騒ぎが報じられると「夜の三冠王」「夜のハットトリック」「夜のスピードスター」「夜の19番ホール」などと書かれるが、これらの例えは面白がられ、若い世代からはこの昭和的表現がむしろ新鮮に映るようだ。

●なかがわ・じゅんいちろう/1973年生まれ。ネットで発生する諍いや珍事件をウオッチしてレポートするのが仕事。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』など

※週刊ポスト2017年6月2日号

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