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大相撲がガチンコ化 大関互助会消滅し、決まり手も激変

なぜ「故意の無気力相撲」は激減した?

 2011年に大相撲八百長問題が発覚して以来、「故意の無気力相撲」を廃すべく相撲関係者はさまざまな努力を重ねてきたが、一度ついたイメージを払拭できずにいた。しかし、ガチンコで知られる稀勢の里が横綱に昇進して以来、真剣勝負が多くなり、ガチンコ相撲が見られると人気が高まっている。なぜ、ガチンコとは正反対にある「故意の無気力相撲」が激減したのか。

●大関互助会が消滅

 苦しい土俵が続いたのはカド番大関の豪栄道だった。

「かつてはカド番大関が辛うじて勝ち越して陥落危機を脱し、翌場所は借りた星を返すために大きく負け越してまたカド番に……ということが繰り返され、同じ境遇の大関が星を融通し合うことから“大関互助会”と揶揄されたが、今場所を見ても状況は一変したことがわかる」(協会関係者)

 豪栄道と照ノ富士、大関同士が9日目に直接対決。7勝2敗の照ノ富士が、5勝3敗の豪栄道を下した。

「かつての角界なら、星でリードしている大関がカド番に白星を譲りそうな典型的なケースです。譲っておけば自分がカド番になった時に助かるわけですから。それが、今場所は両者が立ち合い前に長いにらみ合いをした末に激しくぶつかり、ガチンコで照ノ富士が勝った。暗黙の了解とされてきた“大関互助会”の消滅を確信した」(ベテラン記者)

 春場所14日目でも、10勝以上をあげて大関返り咲きを目指す関脇・琴奨菊に、照ノ富士は立ち合いで変化してまで勝ちにいった。

「やはり上位にガチンコ力士が激増したことで、大関同士だけで助け合いをやろうとしても、それ以外で星を落としてお互い負け越し、ということになりかねない。そうした状況になっていることが消滅の背景にあるのでしょう」(同前)

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