──私も取材で知ったのですが、都庁には霞が関官僚に劣らない優秀な職員が結構いたんですよね。
「います。個々に優秀な職員がいるのに、システムとして動かない状態になっていた。これをノーマルに戻すのが私の大きな仕事でした。まずは櫛の歯を埋める人事をやる。そして朝登庁して夕方、夜までちゃんと仕事をする。ごく当たり前のことですけどね」
異常な状態をノーマルに戻す──それが都知事としての最初の大きなミッションだったと舛添氏はいう。だから前任者たちのように派手なパフォーマンスに走らず、傍目には地味な印象を与える知事として日常業務に専念していたのだ、と。
聞き手■青木理(ジャーナリスト)
※SAPIO2017年7月号