ここで話を終えたいところですが、語源を探る旅はそんなに簡単なものではありません。まだまだほかにも、ネット上にはたくさんの説がふわふわと存在してくれています。
「形が『杯(はい)』に似ていることから、それに丁寧語の『お』をつけた」
「乳児が乳房を吸う音が『おっぱい』と聞こえるから」
「乳児の喃語(なんご。言葉を獲得する以前に発する声)の『おー』『うー』『ぱー』が合体した」
「すっぱいと言ったときの口の形が、おっぱいを吸うときの形に似ているから」
「おっと ぱふっと いい気持ち」
などなど。ま、最後のふたつは完全にネタでしょうけど、これはこれで夢とロマンを感じさせてくれる味わい深い説です。男性はいくつになっても、おっぱいに振り回されてしまう生き物。その正体にせよ語源にせよ、謎を解き明かすことは永遠にできない運命なのかもしれません。
はっきりわかっているのは、おっぱいという言葉を呟くだけで、おっぱいを思い浮かべるだけで、たちまち幸せになれるということ。本当にありがたいことです。もし目の当たりにする機会があったら、心の中で「ををうまい! ををうまい!」と叫べば、時空を超えた深淵に触れた気持ちになって、魅力をさらにとことん堪能できるはず。実際に口に出したとしても、それはそれできっと喜んでもらえるでしょう。