「私にとってのアミューズメントパークといえば、やはりディズニーランド。実際、プールがあるから、と『よみうりランド』に行ったこともあるけれど、1回で充分かな。それなりに楽しいけれど、かわいいキャラクターもインスタ映えするおしゃれスポットもあるディズニーは段違い。一歩足を踏み入れただけでテンションが上がるあの感じは、他の場所では体験できません」
佐藤さんのように、昔ながらの遊園地に魅力を感じない子供が増えている。白土教授が解説する。
「遊園地の全盛期は、ほかに子供向けの娯楽が少なかった時代。近所の公園や学校の校庭以外に遊び場がなく、テレビでも子供向け番組が少なかったからこそ、たまに連れて行ってもらえる遊園地を楽しみにしていた。しかし今は、家の中にいても精巧な作りのゲームができるうえ、近くに子供だけで出かけられるようなゲームセンターやイベントも多い。遊園地は『楽しみに待ち焦がれて行く場所』ではなく『数ある選択肢の中の1つ』になってしまったのです」
前出の佐藤さんも、「あえて遠い遊園地に行こうとは思いません」と断言する。
「もし、将来結婚して子供ができたとき、近くに遊園地があったら、子供を連れて散歩をしに行くかもしれませんが、それ以外はおそらく行かないでしょう。私にとって遊園地は公園と同じで、近ければ行くし、遠ければわざわざ行かない。アクセスの悪い遊園地に行かなくても、ショッピングモールも映画館も近くにあるし、そういうところの方が友達と集まるのも楽で楽しいんです」
人気低迷に追い討ちをかけるように、園内での事故も発生している。
大分県の『城島高原パーク』では2017年8月、44才の男性が亡くなるジェットコースターの事故が発生した。10月に運転を再開したばかりだが、やはり客足はまばらだ。よく来園していたという40代の主婦が言う。
「1992年にコースターができた当初は、『日本初の木造コースターができた』と話題になったことが蘇ります。子供だった私も母に連れて行ってとおねだりしました。子供が生まれてからも何度か一緒にジェットコースターに乗りました。でも、事故が起きてからは、やはり恐怖心があって、一度も行けていませんし、昔のいい思い出も汚れてしまった気がして残念です」
※女性セブン2018年1月1日号