ビジネス

マツダ車の魂動デザイン 無駄をそぎ落とす「引き算」で進化

昨秋の東京モーターショーで出品した「魁 CONCEPT」

 電動化、コネクティビティ、自動運転など、さまざまな技術革新の荒波にもまれる自動車業界。カーシェアの台頭などでクルマのコモディティ化が一層進むのではないかという観測も出ている。

 自動車メーカーがその変化に対応しながら自分のアイデンティティをどう保つのか四苦八苦するなか、そのトレンドに乗らず今日の基準で言うところの“いいクルマづくり”でひたすら押しているのがマツダだ。

「今後、いろいろな変化は起きるだろう。だが、電動化や運転の自動化の時代を迎えても、人々がより質の高い、楽しい移動を求めることは変わらないと思う。こういう時代だからこそ、ブレずにいいクルマづくりの力をひたすら磨くこと。それが自分たちが今やるべきことだと考えている」

 開発系幹部の一人はこう語る。マツダも時代の変革のプレッシャーを受けていることに違いはないが、それに動揺して戦略がブレては元も子もないという考えだ。

 電動化や自動運転などの先端技術で後れを取れば自動車メーカーは生き残れないという見方もあるが、年間生産台数が200万台に満たない中小規模メーカーにとっては、そのトレンドに与しないという戦術はありだ。

 自動車という大衆商品においては、どんなハイテクも普及段階で必ず低価格化、普遍化が起こる。EV、ひいては自動運転車でさえも、将来的には有力な完成車メーカーや部品メーカーと手を組むことで、技術を手に入れられる時代が来るのだ。

 もちろん提携相手に翻弄されないよう一定のノウハウは自前で得ておく必要はあるが、多額の資金を必要とする先端技術開発でマツダが先んじようとする必要はないというのは冷静な判断と言える。

 そのマツダの“いいクルマづくり”だが、取り組みを本格化させたのは2000年代半ば。途中、リーマンショックの影響をモロに受けて4期連続赤字を計上するという苦境にも見舞われながらも、「マツダが生き残る道はこれしかない」とばかりに続けてきた。例えば、こだわりのデザインはその象徴といえるだろう。

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン