国際自動車ジャーナリストの清水和夫氏


草一:古い車への眼差しとは対照的にシニアの運転に対する目線は冷たい。今は多少の運転ミスをカバーしてくれるような安全装備がすごい勢いで進歩している。僕はそれがシニアドライバーにとって追い風だと思っていますが、現状は高齢者というだけで風当たりが強い。

和夫:自動ブレーキなどの運転支援システムがヒューマンエラーをカバーしてくれる時代がやってきているから、何も高齢者だからといって免許を返さなくてもいいでしょう。

 たとえば北米市場をメインに開発されているトヨタカムリは自動ブレーキやペダル踏み間違いを制御する先進安全技術が満載であるうえ、デザインも艶っぽく仕上がっており、クルマとしての完成度が高い。

 同じセダンではBMW5シリーズも土砂降りの高速道路でも車間距離を調整してくれるシステムなど運転支援技術が充実しており、視力や判断力が衰えがちな世代にとってはありがたい。

草一:衝突被害を軽減するアイサイトを搭載したスバルXVも、ちょっと車高が高くて見晴らしがよく、スタイリッシュなのが魅力といえます。ところで、電気自動車(EV)をはじめ次世代カーが台頭していますが、私はまだEVに焦って飛びつく必要はなく、「待ち」の時期だと考えています。

和夫:一般に広く普及するには今よりも電池の高性能化が必須だし、EVはまだ特殊なクルマだと認識しておいた方がいいでしょう。クルマはしょせん道具なので、まず自分が老後に目指すライフスタイルに合わせて選ぶべき。

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