「抗認知症薬のアリセプトは1日3mgから開始して2週間後に5mgまで増やさないと医師にペナルテイが科せられる“増量規定”が存在した」と言うのは長尾クリニック院長の長尾和宏医師だ。
長尾医師が理事を務める「抗認知症薬の適量処方を実現する会」の働きかけにより、2016年6月、規定は撤廃、医師の裁量で処方が可能になった。
「薬を増やすと副作用で怒りっぽくなったり、吐き気や歩行障害を起こす患者が続出した。現在は適量処方が可能ですが、現場レベルではまだ周知が足りない印象です。
レビー小体型認知症の場合、アリセプト1~2mgでも有効な患者さんもいる。病状や病期により薬の適量は違う。現在、最高量を処方されて副作用で苦しんでいる人は、主治医と相談しながら徐々に減薬することが大切です」(同前)
※週刊ポスト2018年3月16日号