以上は自然状態の裏山が崩れた場合です。もし、裏山の所有者が崖に擁壁を作っており、そこに不備があって崩れたような場合は土地工作物の管理保存の瑕疵による不法行為責任が問題になります。こういう場合は土砂の除去に関する損害だけでなく、例えば土砂崩れで壊れた物の損害の賠償も請求できます。請求の相手方については上記と同様に考えることができるでしょう。
【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。
※週刊ポスト2018年4月6日号