国内

「安倍の懐刀」たちが埋め込んだ内閣人事局という時限爆弾

安倍政権で生まれた内閣人事局(時事通信フォト)

 事務次官を頂点とするピラミッド組織に身を置く官僚にとって、“出世レース”は最大の関心事である。かつて各省庁が握っていた人事権限を官邸に一極集中させ、官僚をコントロールする―安倍政権で生まれた内閣人事局は、だからこそ官邸一強の象徴とされる。果たしてこの組織は、官僚にどのような変化をもたらしたのだろうか。ノンフィクション作家・森功氏がレポートする。(文中敬称略)

 * * *
 人間に関する事柄。人間社会に現れる事件──。

 広辞苑で「人事」を引くと、第一項にそう記されている。自然界に起きる現象に対し、人間が何らかの意図をもっておこなう出来事すべてを指しているのだろう。大辞林には、人間の力でできる事柄、ともある。

 その根源的な意味から転じ、会社や団体の組織において、個人の地位や身分を決める。それもまた、人事である。人は誰しも、組織の中で人事に最大の関心や不安を抱き、ときに自らの人生を左右する人事権者に媚びへつらう。

 安倍一強の政府で起きている現象が、まさにそれだと感じるのは、私だけではないだろう。言うまでもなく中央省庁の幹部人事を一手に握っているのが、第二次安倍政権下で発足した内閣人事局である。霞が関の官僚たちは、あたかも内閣人事局の前にひざまずき、財務省は、背任の嫌疑がかけられることも厭わず、公文書の改ざんに走った。

 首相官邸の力の源になってきたといわれて久しい内閣人事局。その実、どのようにしてできたのか、そこすらあまり伝えられていない。

関連記事

トピックス

快進撃が続く大の里(時事通信フォト)
《史上最速Vへ》大の里、来場所で“特例の大関獲り”の可能性 「三役で3場所33勝」は満たさずも、“3場所前は平幕”で昇進した照ノ富士の前例あり
週刊ポスト
家族で食事を楽しんだ石原良純
石原良純「超高級イタリアン」で華麗なる一族ディナー「叩いてもホコリが出ない」視聴率男が貫く家族愛
女性セブン
グラビア撮影に初挑戦の清本美波
新人美女プロゴルファー清本美波が初グラビアに挑戦! ふだんの「韓国風メイク」よりおとなしめのメイクに困惑
NEWSポストセブン
【あと1敗で八冠陥落】藤井聡太八冠、「不調の原因はチェス」説 息抜きのつもりが没頭しすぎ? 「歯列矯正が影響」説も浮上
【あと1敗で八冠陥落】藤井聡太八冠、「不調の原因はチェス」説 息抜きのつもりが没頭しすぎ? 「歯列矯正が影響」説も浮上
女性セブン
小学校の運動会に変化が
小学校の運動会で「紅組・白組を廃止」の動き “勝ち負けをつけない”方針で、徒競走も「去年の自分に勝つ」 応援は「フレー! フレー! 自分」に
NEWSポストセブン
歌手の一青窈を目撃
【圧巻の美脚】一青窈、路上で映える「ショーパン姿」歌手だけじゃない「演技力もすごい」なマルチスタイル
NEWSポストセブン
一時は食欲不振で食事もままならなかったという(4月、東京・清瀬市。時事通信フォト)
【紀子さまの義妹】下着ブランドオーナーが不妊治療について積極的に発信 センシティブな話題に宮内庁内では賛否も
女性セブン
死亡が確認されたシャニさん(SNSより)
《暴徒に唾を吐きかけられ…》ハマスに半裸で連行された22歳女性の母親が“残虐動画の拡散”を意義深く感じた「悲しい理由」
NEWSポストセブン
9月の誕生日で成年を迎えられる(4月、東京・町田市。写真/JMPA)
【悠仁さまの大学進学】幼稚園と高校は“別枠”で合格、受験競争を勝ち抜いた経験はゼロ 紀子さまが切望する「東京大学」は推薦枠拡大を検討中
女性セブン
5月場所は客席も活況だという
大相撲5月場所 溜席の着物美人は「本場所のたびに着物を新調」と明かす 注目集めた「アラブの石油王」スタイルの観客との接点は?
NEWSポストセブン
杉咲花と若葉竜也に熱愛が発覚
【初ロマンススクープ】杉咲花が若葉竜也と交際!自宅でお泊り 『アンメット』での共演を機に距離縮まる
女性セブン
アメリカ・ロサンゼルスの裁判所前で、報道陣に囲まれる米大リーグ・大谷翔平選手の元通訳、水原一平被告(EPA=時事)
《愛犬家の間で命名問題がぼっ発》仲良くしてほしくて「翔平」「一平」とつけたが、飼い主から「一平の名前どうしよう…」「イッちゃんに改名」
NEWSポストセブン