今回、セブンは実験的に首都圏の一部店舗でキリン「一番搾り」の専用生ビールサーバーを設置し、Sサイズを1杯100円(税込み、以下価格は同)、Mサイズを1杯190円で販売予定だった。レジで専用カップを買い、サーバーにセットしボタンを押すだけで生ビールが注がれ、持ち運び用のフタも用意されている。レジ横で見慣れた存在となったコンビニコーヒーとそっくりの景色である。
経済ジャーナリストの永井隆氏が解説する。
「セブンは100円コーヒーの『セブンカフェ』を大ヒットさせ、近年来客数が伸び悩むコンビニ業界の起爆剤となりました。ビールはそれに続く待望の企画として準備されていたものと思われます。
一方、セブンにビールを提供するキリンは、ビールの販売減が止まらないなかでコンビニやスーパーとのプライベートブランド強化に力を入れ、売り上げ増を狙っていた。そこで4月に『一番搾り 匠の冴』という缶ビールを共同開発して関係が構築されていたセブンと“生をやってみよう”という構想に至ったのでしょう」
実は生ビールを売るコンビニ自体は、すでに存在する。JR東日本グループのコンビニ「ニューデイズ」では、一部の店舗で毎年、夏場だけの期間限定(通年の店舗も存在)で、アサヒスーパードライ樽生ビールを1杯398円(545ミリリットル)で販売している。