●与えられた食事は「乾燥大豆」
やがて大下氏らは、食事にも困るようになっていったという。
〈被告清水は、大量に購入した乾燥大豆を事務所に備え付け、1日1食だけ食事として食べるように指示し、原告大下らは、同年同月から乾燥大豆を1日1食という食事をする生活を強いられた〉
想像も及ばない状況だが、大下氏らはなぜ逃げ出さなかったのか。
「少しでも反論すると、清水社長は激高するのです。私たちが仕事をこなした後の深夜にたびたび事務所にやってきては長時間にわたって説教する。疲労から判断力が失われ、『睡眠時間が惜しいから言うことを聞いておくか』となってしまった」
その様子が訴状にこう記されている。
〈「3人(編集部注:大下氏、別の原告男性、自殺した女性)は寝ないで仕事をしろ」と要求した。そして、原告大下らは、事務所で仕事中は、朝になるまで、被告清水に対し5分おきに「起きてます」とのラインを送るよう指示され、起きていることの証明をさせられた〉
大下氏が示したグループLINEには、5分おきどころか、3分おきにメッセージを送っていた履歴が残っていた。
1:32 清水社長 とりあえず風呂入るから3分ごとに起きてます、か、解決メッセージください。お互いチェックしてください
1:33 大下氏 はい、お互いにチェックします
1:36 大下氏 起きてます
1:39 大下氏 起きてます
1:40 清水社長 Aは寝てたよ(注・大下氏とは別の原告男性の実名)
1:41 清水社長 バカにされてるのかな?
1:42 大下氏 そう思われても仕方ないです
1:42 清水社長 そろそろ寝るので解決策ではなく現金用意できたら寝てください。3分ごとにメッセージ続けといてください^_^
この後も、
2:06 大下氏 起きてます
2:09 大下氏 起きてます
2:12 大下氏 起きてます
2:15 大下氏 起きてます
と3分刻みで続く。6時台に10数分空く時間があるものの、9時3分の投稿までひたすら「起きてます」が並んでいた。これは2017年7月30日の日曜日の未明から朝にかけてのやりとりで、週末も管理下に置かれていたことが窺える。同様のLINE履歴は別の日にもあった。
●清水社長の説明と反論は
訴訟が提起される前日(10月16日)に、清水社長に話を聞いた。清水氏は弁護士同席の場で、パワハラ疑惑に対してこう回答した。