『週刊文春』が、このA君への暴行について報じた後、同部の上野広治・監督とA君の母は一緒に会見の場に現われ、暴力を認める一方、当事者同士で和解済みと説明していた。しかし、今回の画像やOBの証言を踏まえれば、同部で上級生からの“シゴキ”のような行為が常態化しているとの懸念は拭えない。
本誌がA君の母親を訪ね、画像を見せたところ、A君であることを否定せず、「取材にお答えするつもりはありません」と話した。また、上野監督は直撃に対し、「(写真や証言について)事実として把握していないのでお答えできません。大学側に聞いてほしい」と答えた。日大広報部は次のように話す。
「(写真は)あくまでも部員同士のふざけた行為であり、いじめではありません。このような行為は現在行なっておりません」
前出のOBはいう。
「水泳連盟の副会長でもある上野監督は大学以外のことで忙しく、正直、水泳部に目が行き届いていない。日大水泳部には悪しき習慣がたくさん存在する。今回、事件が明るみに出たことをきっかけに、膿を出し切ってもらえたら……」
日大水泳部は、男女で普段の練習場所は違うとはいえ、同じ監督が管理の責任を負い、大会前の調整では同じプールで練習することもあるという。日大への進学が、金メダルが期待される池江の足枷になることだけは避けてもらいたい。
※週刊ポスト2018年11月2日号