「その判断は確かに難しい面はある」というのは、賃金・人事について企業にコンサルティングを行っている大槻幸雄・賃金管理研究所副所長だ。

「『労働時間』とは、労働者が使用者の指揮命令下にある時間のこと。そのため、その酒席が出席せざるを得ないものなのか、退席・欠席する裁量が与えられているかどうかが判断基準です。たとえば、社内の結束を深めるための同僚との懇親会であっても『全員参加』が条件であれば、労働時間に含めることになるし、社外の人であっても『たまには担当者同士で飲みに行きましょうか』という場合には、労働時間ではないという考え方です」

 ドラマ内での東山の場合は、上司の福永清次(ユースケ・サンタマリア)や種田晃太郎(向井理)の歓迎会という名目で事実上参加が義務づけられており、勤務時間に含めていいわけだ。40代編集者の「2次会からはノーカウント」も概ねこの定義に合致する。大槻氏が続ける。

「酒席や研修など、どこまでを勤務時間に含めるかは、法令解釈に沿って会社としての基準を決めておくべきもの。判断が難しい場合は、事前に上司の決裁を仰ぐことです。会社のルールを前提に個々のケースを判断すべきで、ルールがなく事後でその都度、判断するようでは職場に規律がないということ。労働時間云々よりそのほうが問題です」

 現場の社員が不公平感を抱かないように経営陣がそうしたルール作りをしっかり行い、社内に共有、浸透させていくことが必要だ。規律なく、なあなあで動いていると、誰かが不公平感を持ち、不平不満が社内に広がって仕事への意欲も減退していく。

関連キーワード

関連記事

トピックス

日米通算200勝を達成したダルビッシュ有(時事通信フォト)
《ダルビッシュ日米通算200勝》日本ハム元監督・梨田昌孝氏が語る「唐揚げの衣を食べない」「左投げで130キロ」秘話、元コーチ・佐藤義則氏は「熱心な野球談義」を証言
NEWSポストセブン
ギャンブル好きだったことでも有名
【徳光和夫が明かす『妻の認知症』】「買い物に行ってくる」と出かけたまま戻らない失踪トラブル…助け合いながら向き合う「日々の困難」
女性セブン
破局報道が出た2人(SNSより)
《井上咲楽“破局スピード報告”の意外な理由》事務所の大先輩二人に「隠し通せなかった嘘」オズワルド畠中との交際2年半でピリオド
NEWSポストセブン
河村勇輝(共同通信)と中森美琴(自身のInstagram)
《フリフリピンクコーデで観戦》バスケ・河村勇輝の「アイドル彼女」に迫る“海外生活”Xデー
NEWSポストセブン
《私の最初の晩餐》中村雅俊、慶応大学に合格した日に母が作った「人生でいちばん豪勢な“くずかけ”」
《私の最初の晩餐》中村雅俊、慶応大学に合格した日に母が作った「人生でいちばん豪勢な“くずかけ”」
女性セブン
『君の名は。』のプロデューサーだった伊藤耕一郎被告(SNSより)
《20人以上の少女が被害》不同意性交容疑の『君の名は。』プロデューサーが繰り返した買春の卑劣手口 「タワマン&スポーツカー」のド派手ライフ
NEWSポストセブン
ポジティブキャラだが涙もろい一面も
【独立から4年】手越祐也が語る涙の理由「一度離れた人も絶対にわかってくれる」「芸能界を変えていくことはずっと抱いてきた目標です」
女性セブン
生島ヒロシの次男・翔(写真左)が高橋一生にそっくりと話題に
《生島ヒロシは「“二生”だね」》次男・生島翔が高橋一生にそっくりと話題に 相撲観戦で間違われたことも、本人は直撃に「御結婚おめでとうございます!」 
NEWSポストセブン
木本慎之介
【全文公開】西城秀樹さんの長男・木本慎之介、歌手デビューへの決意 サッカー選手の夢を諦めて音楽の道へ「パパの歌い方をめちゃくちゃ研究しています」
女性セブン
大谷のサプライズに驚く少年(ドジャース公式Xより)
《元同僚の賭博疑惑も影響なし?》大谷翔平、真美子夫人との“始球式秘話”で好感度爆上がり “夫婦共演”待望論高まる
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
男装の女性、山田よねを演じる女優・土居志央梨(本人のインスタグラムより)
朝ドラ『虎に翼』で“男装のよね”を演じる土居志央梨 恩師・高橋伴明監督が語る、いい作品にするための「潔い覚悟」
週刊ポスト