「夫婦には大きな“法的な壁”がありました。日本の法律では『出産した女性』しか母親とは認められず、向井さんのケースでは、出産したシンディさんが実母であり、生まれた子供たちの国籍もアメリカでした」(全国紙社会部記者)
実際、日本の役所は向井を母とした出生届を受理しなかった。子供たちの戸籍をめぐる争いは最高裁までもつれて3年以上がかかったが、“実子”とは認められず、双子は「日本在住のアメリカ人」とされた。
壮絶な出生秘話をオープンにしてきた向井は2009年に、「特別養子縁組」(養子となる子供が実親との法的な親子関係を解消し、実の子と同じ親子関係を結ぶ制度)の成立を公表。ブログに喜びの声とともに、《今は日本とアメリカの重国籍ですが、21歳までにどちらの国籍にするか、本人が決めることになるでしょう》と綴った。
◆自身のルーツへの葛藤
2年前、一家に“異変”が起きていた。
「長年住んでいた豪邸を売却し、引っ越しされたんです。お子さんが中学2年生という半端な時期だったので不思議に思いました」(近隣住人)
2人は都内の自宅近くの幼稚園に通い、小中学校も地元の公立学校を選んできた。
「お受験させなかったのは、友達が近所にいたからです。仲のいい友達と学校生活を送ってもらいたいと考えたようです」(前出・高田家の知人)
双子は何かと比較されやすいが、向井はその点にも気を使っていたという。
「それぞれ得意分野を生かせるようにと子育てをしてきた。学歴をつけるよりも“生まれてきてよかった”と思える人生を送れるようにと考えていました」(テレビ局関係者)
代理出産についても、幼い頃から伝えてきており、高田家のリビングにはシンディさんの写真が飾ってあるという。
「昨年1月、丸岡いずみさん(48才)が代理出産した時も、向井さんは次男の結太くん(15才)と一緒にニュースを見て、代理出産について話し合った。息子さんは“命がけだよね”と話したそうです」(前出・高田家の知人)
双子も高校生になった。彼らは「二重国籍」を持つ。成人する頃には、「どちらかの国籍を選択しなければならない」という決断も迫られている。
「“実母”とされる代理母への思いもあるのかもしれません。高校からアメリカ留学を選択したことも、彼ら自身の“ルーツ”への葛藤を感じます」(前出・高田家の知人)
8月下旬の週末、向井本人に話を聞いた。