初出場で3位、審査員の心も掴んだ。ネット上にも「誰も叩かない、怒らない、否定しないツッコミスタイルが好き」という声があふれ、一気にファンを増やしている。それでも松陰寺太勇は、『M-1グランプリ』直後に配信されたGYAOのネット番組『世界最速大反省会』で、「2本目のネタでローラーシューズを履く勇気がなかったのがダメだった」と反省を口にしている。
キャラ芸人になるしかなかったという松陰寺は今でもビジュアル系のメイクにキザな芸風と充分濃いキャラクターだが、少し前まではスーツではなく着物を着て、さらにローラーシューズで舞台に現れるというインパクト大のネタも持っていた。M-1当日もローラーシューズは用意しており、「あのミルクボーイさんに勝つにはローラーシューズで出てくるしかなかったんじゃないかなと思うんですけど、いろんな大人が見ているだろうなと思ったら最後履く勇気がなかった」そうだ。
ローラーシューズさえ履いていたらミルクボーイにも勝っていた……かどうかはわからないが、M-1の最終決戦というステージで、シュウペイの制止も聞かず奔放にローラーシューズで行ったり来たりする松陰寺も見てみたかった気もする。
そんなぺこぱの躍進を「めっちゃ嬉しいです!」と喜んでいるのが、女優やタレントとしても活躍するDDTプロレスリング所属の女子プロレスラー赤井沙希(父は元プロボクサーの赤井英和)だ。現在はプラチナムプロダクションに所属する赤井だが、実は前所属事務所がオスカープロモーション。なんと赤井は、ぺこぱというコンビ名の名付け親でもあった。
当時「先輩×後輩」というコンビ名で活動していたシュウペイと松陰寺は、コンビ名を改名したいと考えていた。そんなとき、事務所の先輩でもある赤井が飲みの場で「私が決めてあげる」と言い出したそうだ。赤井に話を聞いた。
「前のコンビ名から改名したいという時にお話ししていて、その時私が韓国語にハマっていて、いつまでもハングリー精神をという意味と、一度聞いたら印象に残る単語だったので、可愛くひらがなで『ぺこぱ』という名前を提案しました!」(赤井)