ビジネス

ニトリがアパレルに本格参入 第2のワークマンになれるのか

ニトリが参入した女性衣料専門店「Nプラス」

ニトリが参入した女性衣料専門店「Nプラス」

 ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長兼最高経営責任者(CEO)が、北海道新聞とのインタビュー(2019年12月30日付WEB版)で、アパレル事業に本格参入することを明らかにした。家具やインテリア販売で好調なニトリが、なぜ衣料品を売るのか──。その舞台裏をジャーナリストの有森隆氏がレポートする。

 * * *
 ニトリが本格参入するのは女性衣料専門店。すでにグループ企業のNプラス(東京)が昨年に同名の実験店を4店出している。

 2019年3月20日、三井不動産グループのショッピングモール「ららぽーと富士見(埼玉県)」に1号店を出店したのを皮切りに、同29日に「イオンレイクタウン(埼玉県)」、10月18日「ららぽーと立川立飛(東京都)」、同25日に住友商事グループの「テラスモール(千葉県)」に出店した。実験店は2020年に10店舗まで増やすという。新規出店はすべて関東地方だ。

〈実験店はカットソー(ちょっぴりおしゃれなTシャツ)からコートまで幅広い商品を扱い、中心価格帯は1点2000円~5000円程度。ユニクロをはじめとする低価格帯の店と高価格品の多い百貨店との中間を狙っている。

 似鳥氏は「30~60代の女性向けで、気軽にコーディネートできる大衆価格の品を扱うアパレル店は少ない」と述べ、参入の余地は十分にあるとの見方を示した〉(北海道新聞)

 これまでニトリの快進撃を可能にしてきたのも、圧倒的な価格競争力だ。「安くない買い物は楽しくない」というのが似鳥氏の買い物観。アパレルでも当然、突き抜けた安さを目指す。

◆衣料品チェーンの買収を計画していた

 似鳥会長は3年前の2017年2月3日、家具やインテリアに続く挑戦として、「アパレル事業への参入を検討している」と米ブルームバーグに語っている。既存の家具の店舗網を活用するのではなく、「M&A(合併・買収)で100~200店規模の衣料品チェーンを作り、その後で、扱う商品を入れ替えることを想定している」と述べた。

 現在の生活雑貨などホームファッションを中心とした業態では、成長に限界があるため、アパレルを選択肢とした。「(2020年2月期で33年連続となるが)40期連続増収増益」を達成するための切り札の一つがアパレルなのだ。当初は、M&Aによるアパレル参入を計画していたが、どうも、うまくいかなかったようだ。そこで、子会社Nプラスを立ち上げ、独力で展開することになった。

関連記事

トピックス

『虎に翼』の公式Xより
ドラマ通が選ぶ「最高の弁護士ドラマ」ランキング 圧倒的1位は『リーガル・ハイ』、キャラクターの濃さも話の密度も圧倒的
女性セブン
羽生結弦のライバルであるチェンが衝撃論文
《羽生結弦の永遠のライバル》ネイサン・チェンが衝撃の卒業論文 題材は羽生と同じくフィギュアスケートでも視点は正反対
女性セブン
元乃木坂46の伊藤万理華の演技に注目が集まっている(公式HPより)
《難役が高評価》異例のNHK総合W出演、なぜ元乃木坂・伊藤万理華は重用されるのか 将来的には朝ドラ起用の可能性も
NEWSポストセブン
“くわまん”こと桑野信義さん
《大腸がん闘病の桑野信義》「なんでケツの穴を他人に診せなきゃいけないんだ!」戻れぬ3年前の後悔「もっと生きたい」
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
報道陣の問いかけには無言を貫いた水原被告(時事通信フォト)
《2021年に悪事が集中》水原一平「大谷翔平が大幅昇給したタイミングで“闇堕ち”」の新疑惑 エンゼルス入団当初から狙っていた「相棒のドル箱口座」
NEWSポストセブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン