「進次郎氏は将来の総理総裁候補ではあっても、出番はまだ先でしょうから名前を出さなかったのはわからなくもないが、河野氏は次期首相候補として支持率を上げている存在。外した理由として挙げられるのは、まず盟友である麻生副総理に対する配慮でしょう。麻生派の河野氏が総理候補になれば、麻生さんが“上がり”になってしまう。だから気を遣った。
もう1つは、菅官房長官への牽制です。河野氏と進次郎氏はどちらも菅さんが将来の首相候補として名前を挙げている。河野氏が有力な首相候補になればポスト安倍レースで菅さんの影響力が高まる。それは認められないという思いがあるから敢えて名前を外したと考えられる」
安倍首相が河野氏と進次郎氏を外し、菅氏を総理候補にあげたのは、菅氏への牽制効果を十二分に計算したうえでの発言だったと言えそうだ。
猜疑心の強い最高権力者に忠誠心を疑われれば、“身の破滅”につながりかねない。だからこそ、“首筋が寒い”と感じた菅氏は自らの野心を懸命に否定している。
※週刊ポスト2020年1月31日号